運命よ、必然的な奇跡をおこせ

霧切酢 隼人

プロローグ

 それは、正しく女神による救済だった。

 俺の顔を覗き込む女性の顔は、月明りの逆光で確認することができない。ただただ、とても美しかった。


 仲間が俺を迎えに来た時には、彼女は既に姿を消してしまっていた。

 きっと彼女は女神様で、崖から落ちた俺を哀れに思い助けに来てくださったのだろう。


 その日から、俺はあのあまりに美しい女神様の姿を探してしまうようになった。

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