異世界チャリ旅
稲城 博世
プロローグ
心地よい風が前から吹いてくるのを肌で感じながら俺は自転車のペダルを漕ぎ続ける。草原の間の道と言うこともあり草が足に当たるが気にせず漕ぎ続ける。
数分漕ぎ続けると前から乗馬した男達(と言っても騎士姿のために決めつけたが)がこちらの方へ来ているのであった。俺は、とりあえず横に避けるために一度ペダルから足を下ろしてブレーキをかける。荷物が少ないからすぐに止まった。早く通りすぎないかと待っていたら声をかけられるのであった。
「君のその乗り物ってなんだ?」
「自転車です。このペダルを漕ぐと前に進むんですよ。」
俺は、そう騎士姿の男に話す。そして、それを聞いて理解したかのように首を縦に振ると追加で質問を飛ばすことなくまた馬を歩かせるのであった。
この世界に来てから俺は数ヵ月間漕ぎ続けているが、自転車と言うものは存在していないらしい。というか、それよりも自分が異世界転生している状況をこの世界に来た時から呑み込むことが出来ずに生活しているのであった。最初の頃はあまりにも大きいギャップに困っていたが今は何ともない。
「郷に入っては郷に従え」。親の口から何千回も聞いたこの言葉がようやく使うことが出来るような日々だった。あの時を振り替えるのは大変だけど気分転換にいいか。どうせ、異世界転生がバレたら説明するし今のうちに原稿でも作っておきますか。
To be continue
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