8月

八月の金の砂

ギラギラと光る

金の砂が

灼熱の太陽から

降ってくる


地上のもの全てが

輝いて見えるのは

陽炎かげろうのまやかし

白昼のまぼろし



神社の裏の小川の

メダカの背が光り


並木道沿いの川の

落差工の流水が光る


光を集めた川は

汽水域を経て

やがて

海へと流れ込むのだろう


そして日が沈むころ

西方浄土の幻影が

キララの波間に

ただよい始める


空に浮き出た月が

冷却の銀の砂を

散華するまでの

ひととき


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818792438032795248

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