形代贄姫の嫁入り
柚子香
第1話
思えば数奇な人生だった。
輪廻転生が本当にあるとすれば、
"前世は余程の悪人であった"
と思わずにはいられない。
生後間も無く
ゴミ処理場の前に捨てられ
児童養護施に預けられるも、
小学生の時に施設が火事で焼け落ちた。
保護されて連れて行かれた次の施設は犯罪者予備軍の巣窟のような劣悪な環境で、
私は目立たない様に、
目をつけられない様に
空気になることに徹して生活した。
ようやく18歳になって
施設を出た初日の今日、
就職先の工場に向かう途中にある古い神社に参拝したのが
失敗だった。
「神様どうか、
どうかこの先平穏な…
欲を言えば幸せな
人生にしてください!!!」
眉間の前で手のひらを合わせ、
深く頭を下げて願った
その瞬間だった。
何か強い衝撃が私の頭を襲い、
そのまま気を失ってしまった。
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