第4話「とぅもはあきを夕暮れの河原に呼び出した。」
当然、あきは落ち込んだ。理由は、親友のゆぅかに突き落とされたから。一緒に特訓したかったのに拒否られたから。
私は、あきを夕暮れの河原に呼び出した。あきは言う。
「『ゆか』は『ゆぅか』。『とも』は『とぅも』。なのにあたしだけ『あき』なんだ。だから、薄々気づいてたんだ。あたしはハブられているって……」
「それはわりとどうでもいいんだ」と私は言いたい。言えないからもどかしい。
「あんたとキスする特訓だから言えないんだよ!」と言いたい。
言いたい、言いたい。めちゃ言いたい。
「あき、落ち込むんじゃあないんだよ? たとえゆぅかに嫌われたとしても、私がずぅっと親友を続けて上げるから……さっ」
こんな薄っぺらな言葉しか出て来ない。
「とぅも──っつっっ」
ふたりは親友として抱き合った。
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