エロゲの主人公っぽいやつを観察していたらいつのまにかその完璧すぎる幼馴染に外壁を埋められていた件〜その幼馴染の裏の顔がヤバすぎる...⁉︎〜
りと
プロローグ
俺は......今日から高校一年生になる男だ。
高校生......されど高校生なので、実家から通うという人が多いだろう。
だが生憎と、俺はそういうわけではなかったのだ。
なんと俺は─────1人暮らしをしているのだ!!
まぁそんなこんなで、俺は朝にその声によって目覚める。
「.......バグくん、朝ですよ?」
「......ふぁ?」
起きて体を起こすと、そこには
「おはようございます.......バグくん、目覚めはどうですか?」
「......なんかもう、色んな意味で複雑だ」
「複雑......とは?」
「あのなぁ.......別に一人暮らしをするからといって、お前が俺の世話をする必要性は───」
「一人暮らしだからこそ、必要だと思いますよ?とりあえずご飯の支度はもう既に終わってるので食べましょう?」
確かに、匂ってみれば美味しそうな香りが俺のところまできていた。
さて────ここで自己紹介をしよう。
茶髪の髪色に、センター分けをされている少年は──俺こと、常闇バグだ。
そしてさっき俺を起こしてくれた完璧すぎる美少女──千馬乃亜だ。
セミロングの金髪で、さらに濃い金色の瞳を持つ。
第一印象は敬語口調も相まって清楚だが......俺からすれば、ただのドSである。
そして堂々と俺ん家に不法侵入をしてきてはいるが、幼馴染でもなければ、妹というわけでもない。
ただ中学でとあることをきっかけに仲良くなったわけなのだが......なんかもうめっちゃ懐いてきた。
俺は昔のエピソードを思い出すと......
『バグくん!今日はご一緒に寝てもいいですか??』
『バグ君!!!』バグの腕に抱きつき、胸を押し付ける手馴れた動作
『バグくんも一緒にお風呂に入りませんか?』
『バグくん、お隣失礼しますね』座る時は絶対に対面ではなく真横である
うん......なんかもう、やばいでしょ?
まぁ別にいいんだけどね。
「...いただきます」
「お茶をどうぞ」
今日は肌寒いからか、暖かい飲み物を差し出される。
「.....ちょうどいいな」
「よかったです」
お茶の温度は俺が今1番求めていた温度だった。
こうしたちょっとした気遣い、そして優しさ。だからこそクラス内でも人気が高い訳だが......俺は絶対裏があると思ってる。
人間ってのは裏がある生き物だ.....だからこそそう思っているわけだが、乃亜からは一切そういうのを見たことがないのだ。
本当にないのかもしれない。
「バグ君、今日は入学式ですし、もっと私に頼ってくれてもいいんですよ?」
「現在進行形で強制的に頼らされてるんだが......ていうかそれは乃亜もだろ」
乃亜は朝ごはんまで作り、なんなら乃亜も入学式がある訳だが.....それなのにどうして俺の世話をする予定があるんだと、そんなことを思ってしまう。
「......というより、どうやって俺の家に侵入してきた?合鍵は母さんが持っているはずだが」
「貸してと言ったら普通に貸してくれましたよ、特におねだりとかはしてませんけどね」
どうやら俺のプライベートは消え去ったらしい。
「.....じゃあ何時でも俺の家に侵入出来るってことかよ......」
「......別に今更では?」
「まぁそれもそうなんだがそうじゃなくてな......」
俺は1度、大きく咳払いをして......
「俺は高校生活中に彼女を作りたい!!そんな時に一人暮らしというのは最高のシチュエーションだろう!?」
「かっ......彼女ですか!?あのバグ君に!?」
「あぁ!!」
「ノーデリカシーで、鈍感で平気で浮気してしまいそうで、年齢=彼女いない歴のバグ君が!?」
「ぶっ飛ばすよぉ!!??」
乃亜はもうすんごい口を開けて驚いていた。
それにしても平気で人の心を抉ってくるですが。恐ろしい子
「確かに俺は今まで年齢=彼女いない歴だったわけだが.....もうそんなことは言わせない。
俺は絶対に作ってみせる......だからまぁ、仮に彼女が家に来るとしたら気まずいじゃん?」
「.......まぁ確かにバグ君は優しいし、格好いいので、作ろうと思えばアクシデントがない限り作れると思いますよ?」
本当にこんなことを思ってくれるのかは知らないが......褒める時は褒める、それが乃亜だ。
そういうところが乃亜のいい所なのだろう。
「ただ.....そんなバグ君はいつも近くに女が居ないのはなんでだと思う?」
いやまぁ......自分でも顔は悪くないと思ってる。なんせ両親があんなにも美形なんでね。
だが女絡みが一切ないため、実はそうじゃないと思ってしまうのだ。
「........運が悪いだけ、だと思いますよ?バグ君はちゃんと格好いいし、優しい性格をしています。だからきっと.....作れると思いますよ」
「そっかぁ......」
お世辞......という訳でもないのだろう。
乃亜はきっと俺のためを思って言ってくれてる。優しい奴だ。
そんなことを考えながら、朝ごはんを食べ終え、入学式へ向かうのだった。
▼
ちなみにだが、俺と乃亜は同じ高校だ。
乃亜はもっと高いところにいけただろうに、行かなかったのは、ここにはアイツらもいるし、何処へいっても変わらないから.....らしい。
天才である。
......そうして、何やかんや入学式はおわり、俺たちは教室で待機をしていた。
教室には、見知った顔が沢山あった。
それこそ乃亜だっているし、乃亜の幼馴染達もいる。
高校は、スタートダッシュが肝心だ。
だからこそ、誰かに話しかけようと思った...瞬間だった。
「わっ.......あの人、すごくイケメンじゃない?」
そんな声が隣から響き渡った、
そんな人がいるのだろうか?と思い周りを見渡していると。
「いやいや、何度そこで誰?っていう反応するのさ。貴方貴方」
「んあ?俺か」
「顔も良くてギャグセンもあるとか最高じゃん」
その女の子は、クスクスと笑っていた。
それにしても......こんなすぐに話しかけられるだなんて。ついに俺にも春が来たのか?
いやだが......喋り方からして明らかにギャルだ.....念の為、心してかかったほうがいいだろう。
そんなこんなで警戒しながら喋っていた訳だが......1つわかったことがあった。
こやつ......ノリが良い女であった。
「ホント!!??高校になったばかりなのに一人暮らししてるの!?羨まし!!!」
「まぁ色々と事情が重なってなぁ」
「へぇ〜......やること多くて忙しそうだけど、羨ましいや。あたしもそういうひとりの空間が欲しいんだよね〜.......そだ!折角だし遊びに行ってもいい!?」
こ、こいつ......グイグイくるなぁ.....いやでも、最近の高校生というのはこういうものなのかもしれない。
その時、乃亜の顔が浮かんだが......あとでメールしとけば十分だろう。
「じゃあ放課後校門前で集合ね〜!!」
こんなすぐにイベントが来るなんて少し怖い......が、楽しみだな。初めて女の子と関わりが持てるかもしれない。
と、俺は呑気にそんなことを考えるのだった───殺気と憎悪が混じった視線に気づかずに。
▼
そして放課後......ギャルであるあたしは、その女に詰め寄られていた。
滅多にあたしはビビることが無い性格だ.....だが、その女の目はガチだった。
余計なことをするな......と、その目が言っていた。
同性相手に、ここまで恐ろしいと思ったのはいつぶりだろうか。
「......ご主人は、まだそういう時じゃないんです.....あまり、そういうお誘いをしないでくれませんか?」
可愛らしい顔だと言うのに.....その顔は、とんでもない敵意でまみれていた。
「ご主人は......今のままでいいんです。
彼は格好いいし、性格だっていい、そして.....とてもお強いんです。......あなた程度が、バグ君と釣り合うとでも?」
「なっ、なんなの.....あなたは」
「ただのお友達ですよ.....ですが」
その少女は......コロコロと顔を変えていた。
常闇くんのことを話す時は.....恍惚とした表情で、ヨダレまで垂らしていた。
だがあたしの話になった途端、まるでゴミでも見るかのような。そんな目で彼女は言った。
「ちょっと.......世話を湧いちゃう。そんなお友達です」
そんな.....なんて、レベルじゃない。
ただのお友達なんて、決して思えない。
その少女から感じたのは......異常なまでの愛の重さだった。
あとがき
まぁこれから乃亜の幼なじみ達が登場しますので
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