人は盤石のように

初乃 至閉

人は盤石のように。

私と死を待つだけの生活をしようか。

彼女は心を病んでいた僕にそう呟いた。

僕は何かに囲まれていて、

彼女と共に過ごしている。

そんな気持ちが見透かされてしまったのか!

あるいは気まぐれなのか。

どちらにせよ共感だ。

「いいよ。ずっと共に死を待とう。」

と言うと「つまらない、サヨーナラ」

なんて言うから実に女という生物は分からずじまいだ。

自分から言いだしたくせに。

という言葉は飲み込み

僕はまた誰かが「共に死のう」と言ってくれるのを待っていた。

そんな中ある本を読んだ。

「共依存のススメ」だったかな?

題名はよく思い出せない。

そこには僕の求めていたユートピアな

「物語」ではなく実在する「関係」として

描かれていた。

僕はそれからユートピアを目指し幸せを漁っていた。でもそこには一時的な幸せはあるものの、持続性は決してなかった。

それを悟った僕はまた彼女へ連絡をした。

「共に死と向き合おう。悦楽と幸福を得よう。」でももう遅かったようで彼女は

「今の子と別れが来たら」とだけ返事が来た。気づいた頃には全て失いアヤマチはぬぐえない。と僕は学習した。

「さあ、次は誰と死を待とうか。」

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人は盤石のように 初乃 至閉 @hatsunoshihei

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