学園最強の清楚とイチャイチャしたい!
雪方ハヤ
第1話 彼女と二人っきりになった。夢で。
俺には、
「ひった〜ん! なにを描いてるの?」
彼女のかわいい素敵な名前は
だれとでも気軽に話せるコミュ力を持っている。あだ名で呼べる人はあだ名、ない人は苗字で呼んでくれて親近感がある。
そしてなにより彼女の清楚な顔と、ロングヘアーの桜色の髪が学園全ての男を魅了する。学園で『最強の清楚』と呼ばれている。
そして俺は彼女のスカイブルーの瞳に心が
「ぼ……ぼくは、これは自分の好きなアニメキャラの……『みさき』っという……」
俺の名は
趣味はアニメ、オタクであり、その中の『みさき』という女性キャラが好きだ。
なぜかというと、『みさき』は少しだけ久雪さんと似ている。
「へぇー! 見たことはないけど、とてもうまいよ! この手とかきれいだな〜マネできないよぉ」
彼女が俺に声をかけるたびに心が舞い踊る。しかし彼女はだれでもそうやさしくする。彼氏はいないらしいが、俺は彼女に相応しくないことは知っている。
「いつか……彼氏じゃなくてもいいから、この関係を崩さずにさくりちゃんとイチャイチャしたいなぁ」
この関係を崩さずにイチャイチャする。
犯罪にならない程度で犯してみたい。
うん……。
無理だ!
俺はほとんど毎晩さくりちゃんとイチャイチャする妄想をしているが、毎回「どうせ無理」って終わってしまう。
しかし今日は違った。
今夜、俺が静かに眠ると、夢をした。
ただの夢ではない、なぜなら現実とほぼ変わらない意識がハッキリしていて、なおかつ夢のように指定されている動きではなく、自由に動ける。
なぜ俺は夢だと気づいたかというと、俺は図書館にいる、そして俺の前に“あの人”が美しく座っている。
久雪咲璃だ。彼女はゆっくりと本を読んでいる。しかも周りにだれもいない。
「え?」
そう
「久雪さん……?」
しかしすると、彼女はホッと息を吐き、安心したような様子になった。
「ゆめかぁ……」
え? こっちのセリフなんだけど。
現実とはありえないほどの静寂な世界にいる。
とはいえ、ありえないほど意識がハッキリしている夢はない。
「てかなんでこの夢はわたしとひったんしかいないんだろう……」
俺はある予想を立てた。
俺はすぐに制服のポケットをからいつも置いてあるスマホを取り出した。
『午後、二十五時六十五分』
夢確定だ、っと確信したその瞬間、俺と彼女が座っている前のつくえがいきなりベッドに変わってしまった。
現実にはありえなさすぎる、つくえがいきなりベッドに変わるとは。
しかしベッドに変わったってことはなにかの暗示だ。夢だから……遠慮はいらねぇってやつかぁ!!
「え……なんでベッド……」
俺はベッドの上に乗り、まだ
「いやぁ!! ひったん???」
しかし俺の初めての夢でのプレイなのか、まだ引っ張っただけで強刺激になり、そのせいで、夢全体が崩れ、“初めての夢”は失敗しちゃった。
「うわぁ!!」
俺は再び現実に戻った。
いや、『起きた』っと言った方が良いか。
別に異世界転生じゃないし。
「なんだよぉ……この夢、ちょうどいいところに終わってしまったじゃないか……」
しかし俺はまだこの夢を偶然とおもっている。
起きたのはちょうど深夜の二時、強い刺激をうけたため、俺は冷蔵庫から水を取り出した。
「おにいぃちゃんまだねてないのぉ?」
「おぉ! ナナ! 俺は夢で起きたばっかだよ。そっちは寝てないの?」
俺に声をかけたのは俺の妹の
恥ずかしいことかもしれないけど、俺の本当の両親は
負けたらあげるものはお金だけではない。
彼らはギャンブルで手を組み、イカサマで生きてきた。
しかし俺を産んで、親のイカサマがバレてしまい、それで亡くなってしまったのだ。
俺は小さい頃から親がいないのだ、朝夙一家は俺を受けとり、育ててきてくれた。とても感謝をつたえたい。
「わたしはねむれな〜いよぉー」
俺はこの義妹のことが結構好きだ、妹として。俺は高校三年生だが、彼女は中学校にまだ慣れていない頃である。
俺はやさしく彼女の小さな頭を
もっとも、俺みたいに他人を撫でることで気持ちよくなるやつは通称『変態』って呼ばれてるけど。
「早く寝ないとオバケ出てきちゃうよぉ!」
「うぇえ?? やだあぁ! オバケ……」
彼女は中学校にしてまだオバケのことを怖がっている。かわいいから許す。
彼女はちょこちょこと足を動かして部屋に戻った。
俺はゆっくりと水を飲み、部屋に戻ったその瞬間、俺の背中が一気に重くなった。
「おにいぃちゃん引っかかったねぇ!!」
「な!? ナナ??」
彼女は俺の背中にむりやり乗ってきた。
「『オバケ』って言ったから眠れないなぁ〜おにいぃちゃんといっしょにねる!」
気のせいかどうかはわからないけど、彼女は少しブラコンな気がする。
彼女は週に一回ほどそうやってドッキリを仕掛けてくる。
「わ……わかったよ! 早くおりて!」
そして彼女は悪い笑みを抱えながら俺のベッドに寝転がった。
「へへぇ、義妹といっしょに寝るなんて……おにいぃちゃんの、“シ、ス、コ、ン〜”」
「それ以上言ったら出ろ」
俺はべつに朝夙奈々のことが嫌いわけではない。ただ好きな人がいるだけである。どうしても“彼女の
次の日、俺はいつも通りに学校へ行った。
あれ? なんか妙な視線が感じるな……。
俺が振りかると、久雪咲璃が俺のことを少し怖がっている目で俺をじっと見つめている。
「久雪さん?」
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