第2話

警察に聞かれ、池に行ったかもしれないというと、警官は目を見開いた。

「本当に池に行ったのなら、もうどうしようもないなあ」

ぼけっとした現地の社員が言うことならともかく、警官までがそう言うなんて。

あの池にはいったい何があるというのか。

今日は何の日だというのか。

「とりあえず、今日の捜索はここまでです」

警官は帰って行った。

来たばかりだというのに。

俺はしばらくあっけにとられていたが、ふと時計を見た。

午後十一時。

今日が終わるまであと一時間ある。

――近づかなければいいんだな。

俺はそう思った。


双眼鏡を手に、池から少し離れたところで池を見張った。

今は夜。

そして池の周りにはたいした光源はない。

つまりほとんど何も見えない。

それでも俺は双眼鏡から目を離さなかった。

どれくらい時が流れただろうか。

突然、池からドーンドーンという音が響いた。

――なんだ?

なんの音かわからずそのまま池を見ていると、大きめの池の水面すべてが、鈍く光り始めた。

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