第2話。2023年、春から

4月18日。


「ごめんなさい、トトクジとは何ですか?」


今思えば、初心者丸出しの質問。

それでも、実はメルストには復帰者だった。

(まあ原因はスマホの水没。南無)


実は約2年離れてしまっていて、環境がガラリと

変わった「最近の」メルストが知りたくて、

初心者ルームの覗きまくっていた。


けれど、


「やれば解るよ。もうすぐ来るんじゃないかな」


実際の応えは全く優しいものではあったのですが

どうも腑に落ちなかったのは記憶している。


何処か、

教えてくれる「場所」に行きたい。


動いたのは、翌日のことであった。


******


4月19日。


ギルドに、入った。緊張はもちろんある。

が。

「レイドそういう仕様でしたっけ…?

 長い事他力本願だったので忘れましたです」

過去の自分、大馬鹿者。何で初日から積極的に

会話しようとしているんだ…。

でも、ギルマス…私は「リーダー」と

呼んでいた…は、

「今回からですよ〜お知らせ見て!」

と優しくも明るく軽い口調で諭していました。

それ以外にも、メンバーへのサポートは

凄かった。投資への感謝、イベント報酬の目安、

次回イベントへの集合連絡などなど。


「やばい、入ってよかった」

私は、


何も知らないのに、解ったふりをしていた。


******


4月20日。


この「きっかけ」小説になっているのか私も

未だによく分かって居ないものに、さらに

枝葉末節な報告を加えようと思う。

マイルームのログの一文。


「何を言っているんだ!私は私の為に寝る

 だけだ!おやすみ!」


何言っているんだって話なんだけどさ。

でも私は穿った捉え方をしている。


私の為だけに、ってのではないと思っている。

明日以降の自分自身に繋がる人たちに支障が

出ないように寝るんだ、と。


それ以前にさあ。


自分の思い通りになることが少ない世の中で、

「何を言ってるんだ、〇〇するだけだ!」

なんて言って実行しようとするのって、


小さいことでも、凄くないかな。


******


5月22日。


いきなり時間軸がぶっ飛んだ理由は何個もあるが

一つだけ挙げるとすれば、

この日のようなギリギリの線を、一月歩んで

きていたからだ。

リーダーは、言っていた。


「(相手に)チャットに自由は無いのか!?」


「(応える)自由にも区切りは必要

 それと、暴走とは違いますよ」


このようなラインの中に居たのは怖かったのは

よく覚えている。

それでも、居たのは、楽しかったから。

そして、


リーダーに拾って貰った恩に報いたかったから。


******


7月10日。


ミスってしまっていた。

それも、とてもセンシティブな問題で。

リーダー。


「人間誰しも自分が大事です!

 神経質過ぎるのは良くない、

 笑っていきましょう!」


…、…、……………、


私は、小説外で何度も助けられている。

否、

何十回も助けられている。


******


7月25日。


書くべきでは無いとは思ったが、書く。


この日に入ったギルメンと、かなり時を経て冷戦

状態に陥った。

ギルドに入ってから、最悪の地獄だった。


約一月後に入ったギルメンに、壮絶なまでに

親密になった。

ギルドに入ってから、最高の時間の連続だった。


どちらにしても、一つの「破滅」の事件の当事者

同士になってしまった。


その日の記録は、もう残っていない。

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