僕とボク

奇想の森

第1話 記憶

『自分には子供の頃から、幾つかの鮮明に憶えている記憶がある』


何故かそれらは、全て生命の危機に関する記憶である。だが、当たり前すぎる。それらの記憶について、誰にも話す事はなかった。


一番古い記憶は3歳の誕生日に庭の池に落ち、叔父さんに助けられたら記憶である。輝く太陽と澄んだ水の感触はいまだに鮮明に憶えている。


そのような記憶を何度かしており、そのたびに怪我らしい怪我をしていないことに、中学生になる自分は、昨晩も湯船で意識を無くしたのを姉に助けられた。

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