第6話別れた後の命

 お兄ちゃんと別れお兄ちゃんの家に来る




「あぁぁ〜お兄ちゃんの魂が無事だった、良かった…」


 先輩と神様から聞いてはいたけどお兄ちゃんの心地良い波長は直に感じてみないと分からないし不安だった




「ご主人様のお力に何ら遜色はありませんでした、違う点は以前より力強くなった所でしょうかその差がありましたので、久しぶりに頂けたとはいえ恥ずかしくも悶えてしまいました」


 白虎はあの時凄い声出てたよね




「僕も漲る感覚がすごかったよ」




「強くなったの?お兄ちゃんすごい!!」


 お兄ちゃんは私を幸せにしてくれるばかり、今度は私がお兄ちゃんを幸せにする




「よし、みんなお兄ちゃんの為に頑張ろう」




「「「「はい!!」」」」




「私はまずここの先輩に挨拶をしてくるね」




「命様、後の事はお任せ下され」


 玄武達に任せれば家の事は大丈夫だね




「うんお願いね」


 お兄ちゃんが参拝してきた祟道明神から今回特別にお兄ちゃんのために使うという条件でお力を頂けたので先輩と同じぐらいの力を出せるけど不慣れだから力の使い方を先輩から教えて貰わないとね、こちらに氏神として御鎮座されている分社の祟道天皇神社境内にある稲荷社の先輩に会う前にこれから何度も祟道天皇神社に行くだろうし、祟道明神に御挨拶しておかないとね。




 善は急げですぐに祟道天皇神社へ行くと、境内に入る門に本来見えない門が開かれていた、どうやらあちらも御用向きがあるみたい、なんだろう?とにかくお待ちかねみたいだし早く入ろう




「稲荷大神眷属見習い命、祟道明神に御拝謁ごはいえつのため、馳せ参じました」




「そう謙る必要はないと言ったでしょ気楽に話しましょう」




「はい、ありがとう御座います、今回は今後こちらに何度も出入りする可能性がありますのでそのご挨拶を」




「うむ、龍雄のためなら自由にしてもらってかまわない、力を少し貸したそなたにものは相談なのだがな」




「はい、なんで御座いましょう?」




「私の世話をしている神主である栄家に悪い事が起きる可能性があります、それを事前に処理して下さい私が力を振るえば大雑把ですから対処しきれない事柄故、現世に根付いた稲荷大神の眷属殿に処理して頂きたく招いた次第」




「わたくしめはまだ見習いの身分ではありますが、委細承知いたしました」




「そう謙遜せずともよい見習いといっても、私が神として崇あがめられた頃から続けておる長き経験もあろう」




「時間を掛けてもまだ未熟のままである出来損ないでありますれば、お恥ずかしい経歴であります故、謙虚に成りこそすれ胸を張るなど烏滸おこがましく」




「私は期待しておるよ、そうよな龍雄のこの先を見通した時に気付いた事でのお主もどんな手を使ってでも処理してくれるだろう、事が起こる前に徹底的にやってくれたまえ、神通力を使って先の見通しをする時の注意点が、一人の未来を見る時に森羅万象を見て個を見るか個を見て森羅万象を見るかどちらともやった方が良いぞ」




「御助言ありがたく頂きます」




「うむ、励め何が起きるかは神通力の練習として見ると良い」




「それでは先輩方に力の使い方を学んで参ります」


 どうやら間接的にお兄ちゃんにも影響が出てくる事なのかな?うぅぅうっ頑張る!絶対にお兄ちゃんは幸せにするんだから!!気合いが一層強くなるこういうところも神様に見透かされてたのかな


 次に先輩の所、拝殿の裏手にある稲荷社へ




「眷属見習い命、先輩方に力の使い方をご教授願いたく馳せ参じました」




「おっ、来たね」




「いやぁ良かったね遂に会えて」




「此度の件誠にありがとう御座います」


 こちらの先輩方がお兄ちゃんを京都の祟道神社に誘導して下さったので、感謝でいっぱいだ




「なぁにあれぐらい問題無いさ」




「寧ろ、機会を作るために今回の事件は我慢して目を瞑つむったんだ再開の喜びに浸りたいところ忙しくしてしまい悪いね」




「いえ、お兄ちゃんを動かすのに必要だったのですから仕方の無い事です」




「君の兄は現世でも頑固だわ、もう少し親の信仰心を見習ってくれていればもっと楽だったけどね」




「もう、お兄ちゃん…。」


 ちょっと呆れちゃうけど変わらないお兄ちゃんに心が温かくなる




「しかし、敬虔けいけんなる信徒に好き勝手してくれたあの者はこれから目に物を見せてやる命も手伝ってもらうぞ」




「はい、頑張らせて頂きます、そういえば祟道明神より先詠みについて少々課題を頂いたのですが…」




「祟道明神より課題?」




「はい、こちらの神主である栄家に後々問題が出るらしくお兄ちゃんの先詠みで発覚したとのこと、その問題の事前処理と先詠みの練習を」




「ん?君の兄と関係してくるの?」




「え、ちょっと待って何これヤバいじゃん私達のやり方では後々良くない」




「まったく、魂が低い奴って現世に現れた人の形をした鬼ね」




「先輩方、先詠みの方法のご教授を」




「あ、そうねまず神通力の方向を私に合わせて」




「はっ、はい!」


 神通力を世界宇宙、森羅万象に伸ばす次に瞬間移動のように違う時間帯に神通力を移す見える世界が変わるそれから伸ばした力をお兄ちゃんに収束させる多分これがお兄ちゃんの未来だろういつも通り仕事をしているところみたい、何だか忙しそう




「はい、次に違う方向から見るから力を戻して」




「分かりました」


 先輩に合わせてお兄ちゃんに力を収束させ次に先程と同様に違う時間帯に力を移すとまた忙しそうなお兄ちゃんがいる何も変化が無いと思うけど…。あ、次に力を森羅万象に広げるみたい、ん?ここで違和感が




「先にやった時と少し周りが違う?」




「そうそれ、本当は二つの方法で見るのが基本なんだけど、私達怠ってたわ」




「あやつ憎しで忘れてたわごめんなさいね」




「いえ、私に謝罪は必要ありませんので大丈夫です」




「そう?ありがとね、これは祟道明神に謝罪と感謝の礼をしないと」




「私、行ってくる!」




むつありがとう、いってらっしゃい」




「これはどちらの未来が正しいのでしょうか?」




「どちらも正しいのよ、起こりえる可能性があるということ、だからあなたのお兄さんにとって良い未来の方を確定させていけば良いのよ、その調整は難しいけどね」




「どうして違う未来が見えるのですか?」




「森羅万象の中に個があるのか個があるから森羅万象があるのか解釈の違いよ」




「んんん、分かんないです」




「未来は移ろいやすいと覚えておけば良いわ」




「分からないけど分かりました」




「考えるな、感じろ。なのよ」




「では、神通力の他の使い方のご教授を」




「そうね」


 先輩に色々教わっていると




「ただいま、神様少し怒ってた…、今回は命に免じて許してもらえたけど今後同じことが無い様にとのこと」




「お帰り、ご苦労様、私達も感情的になりすぎちゃってたわね冷静にならないと」




「作戦の練り直しをしましょう」




「今まで進めてきた作業の修正点も出さないと」




「ええ」




「そうね」




「はい!」


 話し合いは長くなった、事件の主犯に制裁するのは先輩方(嬉々として買って出た)私は栄家の守り(先輩方が余り害が及ばない程度の制裁に緩めはするけど念のため)




「そうだ命、お兄さんと彼の両親に私達が喜んでいたと言っといて」




「何かあったのですか?」




「あなたと別れた後に伏見の方にお礼参りしてくれたのよ」




「え?そのような事が、分かりました言っておきます」

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