第2話 あの日

譲治とカインが世界記録を狙っていたあの日、試合の前日、日本から譲治の下に日本から緊急の連絡が入った。

その連絡を受けた譲治は、世界中の期待を裏切るように日本に戻った。


その日から、譲治の生活は一変してしまった。


トレーニング、いや、全ての時間を妻である真琴の為に費やしていた。


一年が過ぎる頃には鍛え上げられていた、肉体は別人のようになっていた。それでも、真琴の傍らを離れるわけにはいかなかった。


真琴には叱られたが、やはり海には戻れなかった。


そんな真琴の最後の言葉が「海に戻って」であった。

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