第2話
場所は駅に直結したホテルの最上階ラウンジ。
こんなところで働けたら俺の株も上がるって話だ。
俺を面接……いや、見定める奴はいかにもホテルマンって感じの清潔感のある中年の男。
いいなぁ。この緊張感。
ここを志望した動機?
大阪にあるバーで働いていた時に、客に勧められたんだ。
お前の腕なら出来るって。
それを信じてノコノコ来たわけ。
何で関西弁じゃないかって?
俺は元々東京の出身。
ちょっと身辺を一新しようと思ってこっちに来たんだ。
その訳?
う~ん。話すと長くなるからやめとくよ。
え?左腕?
やっぱり分かっちゃった?
俺左の手先が動かないんだよね。
他は大丈夫。
リハビリで元に戻ったから。
そうなった訳?
嫌だなぁ。
話したほうがいい?
かなり長くなるよ?
窓から見える山の稜線に夕日が差しちゃうかもしれないよ?
それでもいい?
……しょうがねえな。
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