第14話
「寝てるみたいだな」
男は呟いた。
「ああ」
兄は言葉を返した。
男は棺桶に手を入れた。
おそらく髪を撫でてやっているのだろう。
こんな獣か宇宙人にしか思えなかった男が、酒に酔えないといられない状況に陥った。
それはアイツの死。
なのに酔っているとはいえ取り乱しもせずに、いとも簡単にアイツの許に行った。
……なんだよ。
お前は何を思って見ているんだ?
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