第6話
ある女が弔問に来た。
涙のあとも乾かない頬が微かに揺れている。
「……なんで?」
そう。
なんで、だ。
きっとここに来る誰もがそう思っている。
なんで逝った?
なんで親友の手によって?
なんで最期に笑った?
聞いた話は兄にとってあまりにも残酷なものだった。
女は祭壇に伏して泣き叫んだ。
名前を呼んで、泣き続けた。
同じ男を好きになった同士だ。
二人には他にはない絆に似た意識があったのだろう。
さながら同じ戦場を戦う兵士の様な……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます