第28話
「そいつはどこに帰った?」
「お客様の自宅までは把握してないですよ!」
「じゃあ女は?」
「若葉ですか?若葉は確か…」
把握していないのか従業員は襟元についたインカムで「若葉はどこに住んでるんだ?」と誰かに聞いている。
ヨシキはその間に煙草を咥えて火をつけた。
ショーがちょうど終わったらしい。店内が割れんばかりの拍手で包まれ、ポールに絡み付いていた女達が大量のチップを下着に挟んでフロアーに下りてきた。
「分かりました。若葉の住まいは相模です」
「は?」
ざっとひとり2万くらいか、なんてチップの計算をしていたヨシキは意外な地名に思わず煙草を落としそうになった。
「マジかよ…」
ここから伝えられた場所まで、車で飛ばしてもざっと一時間。
着くのは深夜二時過ぎになる。
ヨシキはうなだれるように額に手をあてた。
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