第7話

ベドウィンで世界中を回っていた時は、藍色のマントを身に着けてラクダや馬に跨って、過酷な環境に身を置いていた。


でもここでは延々とゆるやかな時間が流れて、特に大した出来事も無く一日を平凡なまま終える。


私はその環境がたまらなく好きだけど、近所の家の修理やら畑仕事を手伝わされるサイードの本心はどうなんだろう。


そもそもここに居てドバイは大丈夫なの?



身を投げ出すようにベッドに横になっていたサイードの顔を覗き込む。


かなり疲れてるみたいで静かな寝息を立てて眠っていた。


農地に借りたこの小屋は狭く、一間にベッドはひとつしかない。

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