第2話

確かに首都はうるさいくらい賑やかだった。



御一新から早一年。



最初は新政府では治まるまいと高をくくっていた庶民たちは、今では最新鋭の文化にすっかり骨抜きだ。


と、言うより興味が無いと言った方が当たってる。


庶民は結局のところ自分達の生活が安泰ならどこの誰が統治しようがどうでもいいのかもしれない。



謙真は落胆した。



世の移り変わりに無頓着な庶民にでは無い。


役人達にだ。


彼らは庶民と違って見てて憐れな程に新国家の体制作りに躍起になってた。


時には卑怯で姑息な手を使って仲間を抱え込み、意見が合わない者は容赦なく切り捨てる。


そして今の時点では大きな勢力による専制政治が行われようとしていた。


それは何か。


謙真には一目瞭然だった。


新政府に与したくせに旧習を誇示しようとする一派と、強引に海外の文化を取り入れて今まであった伝統を一気に捨て去ろうとする一派。


その両者の間には決して相容れない違いがあって、互いに牽制、果てには暗殺。

血生臭い空気だけを放って謙真が求めた理想の国家を作ろうという思いは誰も持ち合わせていなかった。

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