第2話
少女は膝を抱えながらあくびをした。
この屋敷の中で、自分の面倒を見てくれている女性がどういう事をしているかなんて、知らなかった。
その時、遠くに牛車の車輪の音が聞こえた。
その音と共に地面を歩く数人の足音がする。
牛車には鈴がついているのだろうか。風流な音も聞こえてきた。
少女は顔を上げると門の脇から躊躇いもせず道の真ん中に飛び出した。
道の向こう、暗闇の中から浮かび上がったのは見たことも無い豪華な行列。
闇夜の中に燈るいくつもの手提げ提灯はゆらゆらと揺らめいて、少女の心をしばし夢見心地にさせた。
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