第17話
実験用の畑を拡張。
一応実験でそのままの種を植えてのーびのび、をやってみたけど土壌が砂では成長しなかったなぁ・・・まあ、想定内だけど。
そして【成長】スキルを掛けた種はそのまま腐って終わりました。
はぁ・・・勿体無い事した〜。
で、今度はキノコ種みたいにシュビレットと掛け合わせてみたんっすよ。
そしたら見事果実はそのままに、ちゃんと成長してくれたのだけど。
【桃】
シュビレットと掛け合わせた事で土壌砂でも成長出来るように。
※異世界桃には負けない!と言う気迫を醸し出している。
シュビレット要素、どこ行っちゃったんだろ・・・。
見た目は本当そのまま桃なんだよね。
まあ取り敢えず食べてみるけど。
・・・※印のとこ読むと本当食べ辛くなるからやめて欲しいよ・・・。
———ジャリっ。
・・・おおぅっ、こっちで主張して来られましたか!って感じだよ。
ジャリっと感は皮を剥いてすぐの、桃の表面部分だけで後は普通に桃だったな。
味は異世界桃が勝ったみたい。
特にエグ味とか苦味とかも無し。
ずっとシュビレットな食感では無かったのは良かったけど、これじゃ無い感が凄い件・・・。
敢えて現代風に例えるなら、桃にザラメを塗しました!みたいな食感だよ。
・・・実はおじいちゃんズもずっと一緒にいました。
そして今は泣きながら新桃?を貪り食ってる。
植えるのとか手伝って貰ったから試食もお願いしたんだけど、砂地でこんな旨いものがっ!って感動が一押しらしいよ。
私には違和感しかないけど、気に入ったんならお裾分けしますよ、どーぞどーぞ。
って言うか、スキル無しだったらどのくらいで育つかの実験をして欲しくってね。
私は掛け合わせて何とかなるべく元の植生に近づけたいんだよ・・・育ちやすくなるのは大歓迎なんだけど。
おじいちゃんズは量産すれば国の食料供給量に貢献できるしこれまたwin-winですよね、と理解の一致に至ったのでそれぞれの家で頑張って欲しいな。
私は品種改良に全力投球だよぉー!!!
・・・おじーちゃんズが畑仕事に邁進するならいっときは私、引き篭もれるんじゃ!?って思ってたんだけど・・・
「やーねー、私たち、妊娠したって言ってもしたばっかりだから動けるのに!」
「男達は“安静に!”とか言って家から出したがらないし」
「動かないのも問題あると思うんだけどー。腰、痛くならない?」
「「わかる〜〜」」
おじいちゃんズに遠慮して来るのを控えてたらしいお母様たちが暇を持て余して集まって来ました・・・何故そこで私の家になるのか・・・。
どうせなら私の実験にも付き合って貰おうと、色んなザリザリも試して貰う事に。
「私、これ好きよぉ〜〜」
アデルママはいちご派か。
桃の時よりは改善されてザラメから粉砂糖位の食感になった奴がこちらになります。
後、このもうちょっとが難しいんだよね。
「私はこっちー」
メーラママはシャインマスカットが好みらしい。
食感はシャインマスカットボンボンみたいに周りがパリッと薄皮一枚分固くて中がとろーり仕様なあいつです・・・。
シュビレットさんはうちの果物をどうしたいの?って聞きたい。
色々な角度から攻めて来るよね。
「・・・私はこれ好きだな」
ポツリとはにかむルージュママは可愛らしいんだけど、持っているのがエグいのよ。
妊娠中って言ってもまだ発覚したばっかりな段階でもうレモン所望は早くないか!?
しかも何にも加工してないままの生レモンを皮も剥かずに丸齧りだからね・・・。
一応、輪切りにして蜂蜜レモンを押してみたけど
「これじゃない感」
と返品されてしまいました・・・。
その蜂蜜レモンを気に入ったのはまだ妊娠してないクロエ姉ちゃん。
まあ、年齢的にまだだよね。流石に。
レモンは皮の部分がザラメってたかな。
輪切りの蜂蜜漬けにはまあ合うけど・・・まあ本人が良いのなら良いのかなぁー?
あ、因みにルージュママはラーガスさんの奥様ね。
ちょっと幼妻みたいな見た目で可愛らしい人である。
・・・私にはお姉様振りたいみたいなんで絶対言わんけど。
「私はこれが好きかな」
ダグラスさんの奥様のシューリエママは、ショート髪が似合うカッコいい系お姐様。
・・・漢字が皆と微妙に違うことは内緒である。キリッ。
お姐様が選んだのはスイカ、だね。
でもこれが一番大問題だったんだよ。
割ってびっくり!
中に種が無かった!!
食感とかには特に支障が出なかったんだけどこの進化が一番不味いよね。
次世代に繋がらない訳だし。
これが一番の失敗作。
これを量産する訳にはいかないからお姐様にはちょっと待っててもらいたいかな・・・今ある失敗作分は渡せるんだけど。
この女子会には出して無いけど、実験した野菜達も味は変わらないんで持って帰って欲しいな。
食感がまだまだ微妙だけどシュビレット主食よりは断然マシだと思うんだよ。
・・・私は食感が違うと何か脳がバグるんだよ。
不味く無いのに不味く感じちゃうから、試食以外の食事は未だアイテムバッグのストック料理で賄っているのだ・・・贅沢?・・・生産者特権って事で1つ、よろ。
取り敢えず、まだまだ頑張らないといけないことだけは分かっている。
私の奮闘はまだまだ続きそうである・・・あ、この種が欲しいです?どぞどぞ。
・・・奮闘は続けるんだけど、この地に根付くのはバグった作物達になりそう・・・砂地でも育つ作物、大人気なもんで。
今のこの国のマイブーム、ダントツ1位で畑仕事だからね。
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