第3曲 俺とお前のアルペジオ③
俺達が今まで練習していたスタジオの名前は、グラスホール。
ライブハウスとも繋がっていて、5階がスタジオで6階がライブハウスになっている。
他の階には、タトゥーショップや、散髪屋、飯屋もある。
少し細いビルだが、ここで暮らしていけるのかもしれない。
歩いて5分程度で、俺達は店についた。
店の名前は住吉ダウンタウン、昔から来ている俺の行きつけの店だ。
俺達は、鉄板のある堀こたつのテーブルへ、
「で、だ!お前は誰なんだよ!」
俺は、一番の疑問を投げ掛けた。
「改めまして、俺の名前は
「
少し脳の処理に時間がかかってしまった。
この女は、自分のことを
「なんで来たんだよ。」
「いやぁ、さすがに、男達の中に姫一人って言うのはちょっと心配かなって…。」
あぁ、そうだな。
その言葉に納得してしまった。
俺の気が回っていなかったのを感じた。
そりゃぁ心配して当然だ。
技術があって態度が悪い、ただそんなことしか考えられていなかった。
この中で一番年長者の俺が、さすがに気づかないとダメだったな。
そう心の中で反省した。
「そうだな、それは俺の考えがたりなかったな、糸ノ瀬が信用するまで、お前が来てくれてもかまわない。」
俺は、糸ノ瀬と秋山にそう言った。
「うぃー。」
糸ノ瀬は噛んでいたガムを膨らませて、安い返事をした。
「おい!秋山!こいつ、何にも考えてないんじゃないか?」
「はは…は。」
秋山は、気まずそうに笑っていた。
とりあえず、俺達は適当に注文をすませ、あらためて自己紹介することにした。
「じゃぁ、まぁ俺から、
糸ノ瀬と秋山がクスクスと笑っているのがわかった。
「次!」
「改めまして俺は、
糸ノ瀬と秋山が顔を見合わせていた。
「じゃ次、糸ノ瀬。」
俺がそういうと、糸ノ瀬はダルそうに立ち上がった。
「へーい。
ピースしながら糸ノ瀬は、また、噛んでいたガムを、大きく膨らませいた。
「んじゃ、3回目だけど俺も。
そう明るく彼は言うと、頼んでいた注文がきた。
「んじゃま、とりあえず乾杯しますか。」
「俺達の新しい未来に、かんぱ~い。」
「かんぱーい。」
「いえーい。」
「ぱんかーい。」
とまぁ、こんな感じで親睦会は開かれたのである。
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