Stay Alive/コンテ

歌ミン☆ギュ

Say.1. Prolog.

Stay Alive. Say.1. Prolog.


これは夢。

私が一番幸せだった過ぎた時間のリプレイ....


桜が舞い散る春の日。

暖かい雪が降るまぶしい季節の中に君は立っていた。

あの日は眩しい日差しが君の顔を隠したけど記憶の中の君はいつも笑って私の名前を呼んでくれるそう言う人だった。


「早く来てよ 昭真(そうま)!」


「待ってよ、明芽(あやめ)! 早すぎ…ハァハァ…」


君わ幼い頃からずっと明るくて賑やかな子だからそういう君を追いかけることが私にとって簡単なことではなかったけれど、それでも私は、そういう君を追いかけることが好きだった。

あの春の日。

陽射しとともに桜の花びらの中を走る君の姿を忘れられないと思う。

君を追いかけ、花びらで服を濡らしていったあの桜の雨を私わ忘れられないと思う。

今でも私は君の笑顔を夢見ている。


明芽。

私はいつも君を追いかけていた。

今この瞬間にさえ、私はそういう夢を見ている。

君と一緒に走っていた春の日の夢を・・・。


私の人生、君と共に描いた最後の場面を忘れられないまま、私はいつもその夢の中にいた。

苦しい時も、悲しい時も…

君はいつもそこにいた。

君は私のそばにいてくれた。いつもそばにいたい。

君と共になら、きっと明日も楽しい一日になるだろう。

悲しいことも、苦しいことも溶けて忘れることができるようになるだろう。

だから私は今日も君を追いかける夢を見ている。

追いかけて手を伸ばすんだ。

もう二度と届かないあの日の私たちお向けて。

その瞬間伸ばした手と共に視界が曇り、体が揺れた。

抜け出す力は血となり、鼻から流れた。

あの時はまだ知らなかった。

もう二度と君に会えなくなるということを…

君に向かって走れなくなるということを…

明芽....。

明芽。

ずっと君に言いたいことがあった。

あの時はまだ幼すぎて思いもよらなかった言葉だが。

今なら分かる。

だから明芽。

私の話を聞いてくれる?

ずっと君がそうしてくれたように。

今度は私が君に私の物語を聞かせてあげる。


*


ピッ-ピッ-ピッ-

静かな病室、数多くの医療装置に囲まれた少年の心拍音だけが静かに流れていた。

少年の体は医療装置と複雑につながり、頭はバイクのヘルメットのような機械装置に優しく包まれていた。

そしてその機械装置たちだけが静かにその冷たい部屋に色を加えた。

これは地球から月が消えた少し遠い未来の話。

現実と仮想の境界が崩れた世界を生きる少年の物語。

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Stay Alive/コンテ 歌ミン☆ギュ @songmingyu991214

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