僕の幼馴染はバレていないと信じている

霰桜

プロローグ

僕は、全ての家族が平和で賑やかだと。そう思い込んでいた。


今日の今日まで、この光景を見るまでは。


僕は吐きそうになった。そうなるべきなのは、そうなるべき人は唯香なはずなのに。


あんなに宇宙は頑張っていたのに。

何で機材も全て壊されている。

これは悪夢なのだろうか。



目の前には唯香が何よりも大切にしていた沢山の機材か粉々になってそこら中に広がっていた。

それだけなら。それだけならまた買い直すだけで済んだのに。

その部屋─唯香の部屋には配信を楽しみにしてパソコン前で待っていただろう宇宙がズボンとブラの姿になっていた。シャツは血で汚れ、床は破片や血、グッズがバラバラで埋め尽くされていた。

唯香の姉である萌香もかが唯香の綺麗な天然パーマのロングの新橋色の髪を掴んで離さない。

そして弟である影虎かげとらは唯香が離れないように細くボロボロな体を抑えている。



僕は向こうが全く気にも止めていないと分かっていた





叫んだ。






































♢♢♢


































「-あや、毎日楽しい?」



唯香にある日突然聞かれて、僕はこう返した。



「うん。」




「良かったね」




僕はもちろんまだ何も知らなかった訳だから、この言葉にどんな意味があってどんな決意があったかも知らなかった。

ただ、普通の男の子として、森本唯香の幼馴染として傍にいてただけ。

本当はそこで気づいてれば。まだ助けれたのかもしれない。あの暗くて奴隷にされているような残酷な監獄から脱出できたのかもしれない。

僕は今振り返れば助けてという合図サインを何度も…

いや、何度もじゃない。何百回も何千回も。自然と仕組まれ操られていたその会話の内容に気に留めることが一切無かった。


あの優しくて謙虚で美しい少女を僕1人だけでもずっと気に留めてずっと心配して、最終的に助けれていれば、、、、、






今でも消えない心の傷はでも小さくすることができたのだろうか-。

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