第5話  交際を始める

 次の日A組の山口、山下と陽キャな女子三人の高校デビューは完全に失敗に終わった。


 昨日の昇降口での塔子とのやり取りが全校生徒に広まったのだ。


 カーストトップから犯罪者と噂される様になり誰も近寄らなかった。

塔子を見る目に憎しみがこもっていると

ケラケラ笑いながら僕に教えてくれた。


「塔子その内本当にレイプされるぞ

対策なんかしているのか?」


「対策?貴幸がいるじゃないまだ筋トレとランニング続けているのでしょう

なら大丈夫よ」


「どっから来るんだよその自信そもそも

クラスも違えば部活も違うだろ一緒に過ごす時間なんて今後何もないぞ」


「えー貴幸部活やるんだ何処に入るのよ」


「僕は勿論帰宅部だ!」


「……そっか……」


「なんだよ」


「貴幸らしいね」


「おう……」


「塔子は部活やるんだろ」


「まだ決めていない色々誘われているけどね人気者は辛いよね」


「まあ自覚しているんなら大丈夫か?」


「なんで疑問系」


「塔子ってさ意外とチョロいでしょ推しに弱いし考えも無く行動するし頼まれると断われないし見ているとなんか胸の辺りがモヤモヤすんだよな馬鹿なクズに騙されそうでその内僕の前から塔子が消えそうでさ」


「貴幸って私の事そんな風にみてたの?」


「うん、だって僕お兄ちゃんだし心配しているよ」


「私がお姉ちゃんだって!」


「分かったってそんなに怒るなよ対策は何か考えておくまあ、防止に期待が出来ないけどね男4、5人に囲まらたらアウトだろ最悪の結果の証拠集めだそれで刑務所にぶち込む」


「私がヤラレる前提なの」


「クズは基本馬鹿だけとやり慣れている犯罪者だから結構狡猾なんだよ目的の為なら何でもする塔子の友達を脅して呼び出すなんてザラだろう」


「貴幸詳し過ぎじゃ無い」


「自衛の為調べたのさ泣き寝入りなんて出来ないしザマァしたいんじゃん」


「貴幸が居てよかったわ」


「塔子決して一人で行動するなよ

直ぐに騙されるから僕に必ず連絡するんだよ僕がお兄ちゃんだから」


「私がお姉ちゃんよ!!」


 学校の帰り道で話す内容じゃ無いなでも早く手を打たなければ……なんで僕はこんな事しているのかな。


家でのんびりしたいよ。


「貴幸、帰るまで手を繋ごうよ私を守ってくれるのでしょう」


「えっ?まあ……」


「何よその反応は」


「いや、昨日の自己紹介の時僕が塔子と付き合っているのかと言われたんだ」


「でなんて言ったの」


「分からないって言った僕達は昔からの幼馴染だって」


「何で付き合っているって言わないのよ」


 明らかに塔子の機嫌が悪くなった僕の所為なのか。


「だって僕もハッキリ言って無かったし塔子も言わなかったよね」


「もう!ずうっと側に居たいって言ったでしょ!」


「えっ?それは隣人として兄妹としての

言葉じゃなかったの?」


「うんな訳あるか!恋人よ恋人!

私に言わせるな!」


痛って!脛を蹴られた!

めっちゃ怒っている!

覚悟を決めろ貴幸!


「僕も塔子が大好きです是非恋人になって下さい」


 僕は頭を下げてお願いをした。

手を出そうとしたが既に手を繋いていた胸が痛いほどドキドキして頭の中が真っ白になった。


家に帰って僕の部屋で二人キスをした。


心臓が破裂するかと思った。


下の方も……





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