宇宙ネコ ミャクター船長の大冒険
ミソラシド
エピソード1 「宇宙ネコ ミャクター船長 登場! トビーもいるよ!」
「ミャアオーン!おい、宇宙船のエアロックがまた壊れてるぞ!」
船内に響き渡る声は、猫らしからぬものであった。
船長である猫――名をミャクター・キャッツバーグといい、銀河でも有名な冒険家である。
彼の船「ニャーバスター号」は銀河系を駆け巡り、数々の惑星を踏破してきた。
助手のトビーは、ミャクターの相棒である。
人間だが、猫の船長に仕えるために一生懸命働いている。
宇宙で猫が船長を務めるのは珍しいことではない。
なぜなら、猫は宇宙航行において非常に重要なスキルを持つからだ。
具体的には、重力のない環境での柔軟な動きや、危険を察知する直感、そして人間をうまく使う才能だ。。。
その日、ミャクターたちは新たなミッションを遂行中だった。
目的地は未開の惑星「ニャラダン」。
銀河の辺境にあり、そこには伝説の「ネコノミコン」と呼ばれるアイテムが隠されているという。
「トビー、エアロックを直せ!ニャラダンに降下するぞ!」
「了解!でも船長、そろそろ僕も休憩を…」
「休憩はニャラダンを征服してからだ!」
ミャクターは、自慢の三本尻尾をふわりと揺らして笑った。
彼の三本尻尾はただの飾りではない。それぞれの先端が高度なセンサーとなっており、危険や宝物を感知する能力がある。まさに猫界のエリートだ。
船が大気圏を突破すると、目の前に広がるのは青と紫のもやが漂う幻想的な風景だった。ニャラダンは謎に包まれた惑星であり、誰もその全貌を明らかにしたことがない。
「船長、あの山の上に何か光っています!」
「うむ、きっとあそこにネコノミコンがあるに違いない。行くぞ!」
着陸してすぐ、彼らは異様な光景に遭遇する。
草原には巨大なキャットニップのような植物が生い茂り、その中に無数の猫型ロボットが動いていた。
「ニャロボットか…古代猫文明が作った遺物だな。」
「動いてますけど、船長!襲ってきそうですよ!」
案の定、ニャロボットたちは彼らに襲い掛かってきた。
ミャクターは鋭い爪を使い、一体ずつ破壊していく。
トビーも宇宙ガンを手に取り応戦した。
「トビー、右だ!左だ!その後ろの奴もやれ!」
「船長、もう無理ですよ!これ以上は…」
その瞬間、ミャクターの三本尻尾が一斉に光り出した。
そして、尻尾の先から強烈なエネルギービームが放たれ、ニャロボットたちは次々と爆発した。
「さすが船長…すごい威力だ…。」
「フン、猫の威厳というものを見せただけだ。」
山頂にたどり着いた二人の前には、黒く輝く大きな本が鎮座していた。
これこそが「ネコノミコン」だった。
しかし、近づこうとした瞬間、本が自ら開き、猫耳のような形をした光が飛び出してきた。
『ミャクター船長、よくぞここまで来たニャ。』
「だ、誰だ?」
『我はネコノミコンの守護者。この本を手にする者は、銀河のすべての猫の運命を背負う覚悟が必要だニャ。』
トビーが驚きの声を上げる。
「すべての猫の運命って…そんな責任を船長に押し付けるんですか?」
「黙れトビー、これは猫の試練だ!」
ミャクターは堂々とネコノミコンの前に立つと、胸を張った。
「我こそが銀河一の猫船長、ミャクター・キャッツバーグだ。この本を受け取り、猫の未来を切り開く覚悟がある!」
するとネコノミコンは光を放ち始め、船長の三本尻尾にさらなる力を与えた。
それは、未来を見通す力だった。。。
ニャラダンから脱出したミャクターとトビーは、船内で新たな冒険について話し合っていた。
「トビー、この銀河にはまだまだ知られざる宝がある。」
「でも船長、銀河の猫たちの運命を背負うって、具体的にどうするんです?」
「簡単だ、猫が支配する新たな宇宙秩序を築くのさ!」
「……それ、本当に大丈夫ですか?」
ミャクターは笑って尻尾をふわりと振った。
そして言った。
「ニャーバスター号は止まらない。それが宇宙猫の生き様だ!」
こうして彼らは新たな旅路へと出発した。
銀河は広く、未知の可能性に満ちている。
そして、ミャクター船長の冒険はこれからも続くのだった。
=^_^=つづく=^_^=
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