公爵様も騎士団長も私が利用して差し上げます♡
煌を逃すな
第1話 ナタリア
私は戸崎 冴。
教育虐待をする親のもとに産まれた。
教育虐待というのは、「教育熱心な親や教師などが過度な期待を子どもに負わせ、思うとおりの結果が出ないと厳しく叱責すること」だ。
私の家では、私を高学歴の自慢の娘に育てあげるために、日々勉強を強いられた。反対に、インターネットや読書などの趣味は厳しく制限された。正直あの時は死んでもいいと思ってた。というか本当に死ぬ直前だった。私が救われたのは、どうしても耐えられなくなって、おばあちゃんから貰ったお小遣いや親戚の人から貰ったお年玉でこっそりスマホを買えたから。ネットで世界を知り、ふつうを知り、逃げる方法を知り、家から逃げることを選んだ。これまで頑張ってきた勉強を失うのは怖かったけど、外の世界への好奇心の方が強かった。
私はナタリア・コロンヌ。
名門公爵家に生まれた。
金銀財宝、素敵なドレスにレベルの高いスイーツ…なんだって望めば手に入るような環境。
優しいお母様とかわいいお友達に囲まれてそこそこ幸せな生活を送っていた。
しかし、私は歪んでしまった。自分がなんのために生きているのかが分からない。宝石の価値も分からないし、どんなに高級なお食事を食べても、何も感じなくなってしまった。やがて、自分の存在する意味がないのならば、消えても問題ないのではと考えるようになった。消えてしまいたい。消えられないのなら、誰か私に生きる意味を教えて。私の価値を教えて。
目が覚めた時、瞳に映る景色は見覚えのない景色だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます