愛と寛容の宗教キリスト教の母体、にして、ドン引きのあまり後頭部強打するほど苛烈で無慈悲なユダヤ教の神。
毛瀬〈モーセ〉さんは比較的常識人の部類ですが、やはり彼のしもべですし、油断はできません。
そんな毛瀬さんが現代日本の新幹線、それも自由席に降臨して、あれもこれもそれも何も、全部我が主の思し召しであるぞと説くという、途方もなく破天荒な展開となんとも後味の悪いラスト。
ほっこり・ないししんみり・あるいは爆笑させられる作品の多い作者様にして珍しい展開だなと感じました。
ただ惜しむらくは(※否定の意味ではありません)背景となる旧約聖書の世界観があまり馴染みがなくてピンとこない読者様も少なくないのではないかと想像し、
その場合、遠回りにはなりますが同作者様の『ダビデに恋して』シリーズがおすすめです。