目覚めの珈琲と甘いココアの飲み方



誰に言われる訳でもなく

命令されたのでもなく

ただ自然に任せ目を開ければ

ストーブに火を入れて

部屋が暖まるまでとベッドの中

朝日が部屋に差し込んで来れば

少し寝坊したよと

また苦笑いで誤魔化す


休みの日のいつもの行事と知りながらも

緩んだ肌が引き締まらない緊張感のない朝

熱い珈琲を淹れてみる


せっかくだからと

トーストにバターを塗っただけの食事を摂り


簡単に着替えを済ませ

扉を開けて外に出れば

枯葉残る赤い大地に

空から白の妖精達が舞い降りて

深い冬は未だ来ていないと楽しくも

やがて降り積もれば悪魔の顔をちらつかせ

白い狼が街を相手に牙を剥く


冷え切った身体が丸まって

部屋に戻れば再びストーブの前で

未だ来ぬ深い白雪など心配せずにと

作ったココアが熱い湯気を上げていた

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