冬朝の詩を二編

織風 羊

冬の朝の輝き



朝早く起きれば辺りは暗く

灰色の空が世界いっぱいに広がる


私の空

私の世界

舞台に立つのは

いつも私一人


昨日は雪が降り

今日吹く風は強く冷たい

明日はきっと晴れるだろう


庭仕事をしても冷えた身体は

未だ暖まらず

土を纏った手を冷たい水で洗い

悴んだ手が身体の芯へと届ける冬の声


まだ緑色を残している山に気付けば

月のように弱い光が辺りを照らし始め

大地を暖めようとする


青い空に白い雲が見えたなら

それは微かな青と厚い白が描く冬の空


いつの間に小さくなったのか

太陽の光は温もりよりも

この世の中を灯火のように照らし

小さく微笑む心の蕾


花咲き乱れる春が恋しければ

そこへ向かって歩き出せば良い

誰も居ない自分自身が輝く場所に向かって走り出せば

汗が流れるくらいに暖まるであろう


さぁ心よ

行っておいで

自分の為の自分が居るべき場所へ

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