コンプリート世界史②
北 不二夫
第1話
2、エジプトの統一国家
エジプトでもメソポタミアと並んで早くから文明が起こった。文字の発明はメソポタミアが早いが国家の統一はエジプトが早かった。
エジプト文明はナイル川の穏やかで定期的な氾濫による大きな恵みと、北は地中海、東西は砂漠、南はナイル川上流の急流箇所という外敵の侵入が困難な地形に恵まれていたため、明るく楽観的な文化を生み出した。(エジプトはナイルのたまもの)
エジプトでは都市国家同士が争いを続けていた。それらの都市国家はやがて上エジプトと下エジプトの2つにまとまり前3000年頃1つの国家にまとまった。この統一されたエジプト王を「ファラオ」と呼ぶ。
古王国時代(第3〜第6王朝、前2700年〜前2200年)の時代、首都は下エジプトのメンフィスにおかれファラオが神の化身として全土を支配する「神権政治」の伝統がエジプトに定着する。第4王朝はピラミッド時代と呼ばれ「クフ王」のピラミッドをはじめとする多くのピラミッドが作られた。
中王国時代(第11・12王朝、前2100年〜前1800年)の時代中心都市は上エジプトのテーベ。中央集権的な国家を整え、官僚政治も発展したが末期に遊牧民「ヒクソス」の侵入を受け衰退する。ただ、これ以降シリア方面との交流が深まり新しいエジプト史がはじまるきっかけとなる。
新王国時代(第18〜20王朝、前1567〜前1085年)。この時代はヒクソスを追放して成立した第18王朝からはじまる。エジプト史上最も華やかな時代となり、領土はトトメス3世の時最大となり、前1400年代の「アメンホテプ4世」による大改革を行うファラオも現れた。
アメンホテプ4世の改革は…
首都を「テル=エル=アマルナ」に置き新首都でこれまでの多神教から唯一神「アトン」への信仰に切り替えるという一種の宗教改革を行い、自らも「イクナートン」と称した。文化の面でも「アマルナ美術」と呼ばれる写実的、開放的な芸術を生み出した。
これらの改革は総称して「アマルナ改革」と呼ばれる。
アメンホテプ4世の次のファラオは「ツタンカーメン王」である。ツタンカーメン王は大きな業績はないものの1922年ツタンカーメン王の墓がほとんど手付かずで発見された。驚くほどの財宝とツタンカーメン王のミイラが発見され考古学史上の一大発見となっている。
コンプリート世界史② 北 不二夫 @kyabecoffee
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