第2話
「……」
目を覚ました僕が最初には見たのは
……僕の横で寝ている裸の幼馴染の姿だった
……おーけー。まず落ち着こう。
ここはどこだ? 僕の部屋だな。
見慣れた天上。見慣れた家具。
寝慣れたベッドに、裸の幼馴染。
……うん、最後がおかしい。
そして、それ以上におかしいのが。
僕はそっと自分にかかっているシーツをめくってみる
「……っ!?」
真っ白な背中が目に入り、慌ててシーツを戻した。
(……やっぱり裸じゃん……)
裸だった。一瞬お尻も見えた。
スタイル抜群な幼馴染。腰はくびれてるし、肌はシミ一つない。
胸だって着痩せするタイプで、昨日はあんな……
『……好き。大好き。もっとちょうだい……っ』
「……ふぐぅ……!」
……思い出した。思い出してしまった。
昨日あったあれやこれ。
あのクールで、感情の読めない幼馴染が。
「……っ」
……なんかもう、今死んでもいいかも。
ちょっと本気でそう思ってしまった。
「……んんぅ……」
「!」
隣から寝ぼけたような声。
それにびくっと反応してしまう。
「……」
「……」
目をこすり、ぽやっとした顔でこっちを見る幼馴染。
寝起きでも一切崩れない美貌に、いっそ腹立たしく思えてくる。
彼女はしばし、んー、と目をしょぼしょぼさせていたが。
「……おはよ」
「……う、うん。おはよ」
ふわり、と微笑まれる。
それは幼少期以来、あまり見なくなった表情。
それを見て、昔の記憶が蘇る。
昔から、あまり積極的に人と関わろうとしなかった彼女。
だがその美しさから、誰もが彼女に惹かれた。
告白。スカウト。その他諸々。
彼女は僕とは違う。特別な子だった
だから、いつまでも一緒にいられるわけがない。
……そう思っていたのに。なぜか彼女は、僕から離れなかった。
どんなイケメンに告白されようが、芸能界からスカウトが山ほどこようが。
彼女は頑なに、僕との繋がりに拘った。
……本当に、バカな幼馴染である。
「……しちゃった、ね」
「……しちゃった、な」
「……これでもう、完全にあたしのものだから」
「……それは、僕が?」
「そう。心も、体も」
「……そんなの」
——ずっと前から、そうだよ。
そう言うと、彼女は嬉しそうに微笑んだ。
急に幼馴染に告白されたと思ったら実はヤンデレだった件 しはやに @K25zi
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