思いついたやつ書く
添えるお手々
第1話 生徒会役員立候補者演説
「鈴木さん、ありがとうございました」
鈴木は演説を終えてステージ後方に並べられているパイプ椅子に座る。ホッとしたような表情で頬を緩めるがそれも一瞬ですぐに姿勢を正す。
「中原さんお願いします」
ステージ中央前に設置してある演台に向かって進む。笑い声や野次が飛ばされる。
中原は真面目と言えるような生徒ではなく勉強も出来ない。ただ目立ちたいだけ、もしくは生徒会という役職を成績表に記入したいだけと思われている。
「静かにして聞きましょう」
司会からの言葉に場が静まる。その静まった場に中の声が響く。
『お前ら、右を向いてください。見えますかアホ面が。
眠っている教師。眠りかけている教師。俺の声で起きて取り繕う教師、あれは俺の担任です。お前らは右が見える立場つまり左。先生は眠り、授業中に俺等が眠ったら叱られ。狂っています。変わりましょう。変えましょう。起こしましょう、革命を。』
全生徒の注目が先生に集まる。規律規則とうるさい中上先生は、周りの熟睡している大人に情けなさを感じ額に手を当て大きくため息を吐く。その行動がさらに笑い声を大きくさせる。中原はその場の誰よりも大きい声で公約を話す。
『俺は鈴木の学校生活を豊かにして笑顔を増やしたい、そんなくだらないことは言いません。具体的に話します。
革命と言いましたが最初からどでかいのは出来ません。無理です。
だから最初は制服についてのルールを作ろうと思います。
廊下で先生とすれ違うたびに何度も指摘されます。男子は第1ボタンを開けるなと。女子はスカート丈が短いと。俺はそれを許可させます』
生徒にとって痒いところに手が届く内容だった。
ボタンを留めると首にカサカサと鬱陶しく当たりそれでいて窮屈で苦しい。
スカートを短くすれば涼しいし可愛い、おしゃれを出来る。
歓声が巻き起こり拍手喝采。大きな盛り上がりを魅せた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます