押し入れの中

天川裕司

押し入れの中

タイトル:押し入れの中


(由香子のアパート)


その日、友達の様子はなんだか変だった。


由香子「え?今日って確か4月16日でしょ?」

「え?何言ってんのw 18日だよw」


由香子「え??まだ試合の行方わかんないでしょ?」

「はぁw何言ってんの!レイカーズが勝ったじゃない」

昨日あったバスケットの試合。

私と由香子は殊の外バスケットボールが好きで、

アメリカのバスケットの

試合をその都度見ていた。


「昨日、由香子、電話に出なかったでしょ?」

由香子「え?なんで?喋ってたじゃないの私たち。カー君の話とかしてたでしょう?」

「だからそれはおとといの話だって!昨日のこと言ってんのw」


どうも話が噛み合わない。

それでその事についてちょっと聞こうとした時…


由香子「あそうだ、ちょっと見ててね」

「あんた昨日の事ってさ…え?」

私の話を遮って、

急にそんな事を言ってきた由香子は

おもむろに立ち上がり、

何の迷いも無く押し入れの中に

入って行こうとしていた。

ちょっとその光景を目を丸くして見ていた私。


「……ちょっと、何してんのよ?」

由香子「うん。イイからちょっと見てて」


由香子「あ、そだ。押し入れの中に入ったら戸閉めるからさ。また開けて私のこと見てみてよ。じゃ戸閉めるからね〜」


トン…と言って押し入れの中に入った由香子は

そのままシーンとなった。

一瞬、何がどうなってるのか。

この子が今何をしてるのかよくわからない。


ちょっと奇妙なものを感じた私は

とりあえず立ち上がり、

押し入れのほうに行って中屈みで戸に手をかけ、

一瞬そのとき恐怖のようなものがよぎったが、

構わず由香子は何してんのか?

それを確認するため、

由香子に言われた通りその戸を開けて見た。


「ちょっと由香子ぉ〜何やって…」

中を見た私は驚愕。

いや、全く訳のわからない非現実的な

恐怖を目の当たりにし、

「キャアァアァア!!!」

と思いきり叫び声をあげてしまった。


(捜査)


「だ…だから、この子が言った通りに戸開けてみたら…」

警察1「遺体が横たわってたと?」


警察2「警部、少し良いですか?」

警察1「ん?」

警察2「鑑識の話だと、死亡してから少し時間が経ってるようですね…」


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=zP-nZGNPhhg

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押し入れの中 天川裕司 @tenkawayuji

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