某トラックに轢かれてTS転生して高収入!?〜失われた‪✕‬‪✕‬を取り戻せ〜

確蟹爽

某トラック転生

「──ラ、─ニラ、—ーニラ求人♪♪

 ──ラ、─ニラ高収入♪♪」


 よく耳にするあのフレーズと共に俺の体は宙を舞っていた。


     *     *      *


「──。ハッ! 俺は一体・・・・・・」

「気がついたようじゃな」


 目の前におじいちゃん、いや仙人みたいな人がいた。周りは白く、風呂のような霧がかった空間で何も無い。


「いや〜、不幸にもお前さんはトラックに轢かれ命を落としてしまったのじゃ」

「ええ!? あんな徐行してそうなトラックで!?」

「うむ。可哀そうだとはおもうぞ」


 そんな。よりにもよってあのトラックに轢かれるなんて。


「じゃが可哀そうじゃから生き返らせてやろうと思ってな」

「……! それはまさか」

「いわゆる、異世界転生というやつじゃな」


 ラノベ上でしか存在しない架空の出来事だと思っていたが、まさか本当にあるなんて。どうしよう、ちょっと楽しいぞ。


「じゃぁ、剣と魔法のファンタジーで勇者になって――」

「いや、それはできん」

「な――! こういうのはお約束じゃ――!」

「それは――おまえさんの死因によるものじゃ」


 死因? トラックに轢かれた。よくあることじゃないか。条件としては申し分ないはず。それなのに何が問題あるというのだろうか。


「お前さんが轢かれたのは、”あの”トラックじゃからのう……」

「だからなんだって言うんだ!」

「あれは女性用だったじゃろ? だから――お前さんも女の子になってもらわねばならん」


 なにを言っているんだ? まるで意味が分からんぞ。


「女の子って……」

「うむ。そういうマニュアルなんじゃ。悪く思うな」

「い、いやだ! 俺は勇者になって、戦ってハーレムになって……」


 どうせ蘇るなら理想の世界に生きたい! 自分が女の子になるなんて、まるで想像がつかない。


「悪いとは思っとる。じゃからチートスキルも授けてやろう」

「そ、それでもいやだ! まずは男のままで転生したい!」

「どうしても出来んのじゃ。そういうマニュアルで――」

「なんなんだよマニュアルって!」


 とひとしきりごねたが、そのせいで転生のチャンスそのものがなくなってしまうのではないかと思い口を噤んだ。


「というわけで以下のスキルを授けようと思う」

「そ、そうだよな。別に女の子になったからって勇者を目指せないわけじゃ――」

「スキル”×××”(自主規制)」

「いや手淫!? いやな予感したけどまさかそっち系!?」

「続いて”×××”」

「口淫!? いやだ! おいら、異世界でそんな方に進みたくないよぅ!」

「最後に”×××”」

「もうそういうことじゃん! いやだよぅ! 転生してそっち系で無双するために体を張るなんて、おいらいやだよぅ!」


 そう。”あの”トラックに轢かれたせいで”そっち”系にしかなれなくなってしまった、というのか。


「これだけあれば十分に無双出来るじゃろ」

「い、いやだ。おいらそんな力は望んでないよぅ!」

「なに。ちょっと寝て風呂入ってしゅしゅっとして大儲け。楽な仕事じゃろ」

「てめぇ接客業なめてんのか」


 かつては俺も接客業だった。……そっち系ではない。だがその大変さは身に染みて理解している。転生してまで接客を続けなければならないのか?

 加えて、そっち系が大変だというのも、利用する側として漏れ聞いていた。


「とにかく、転生してもおいらはそうはならないかんな!」

「ほほほ。すでに一人称も染まってきておるというのに」

「んなあっ! お、おいらはもうそんなに……!」


 自分の姿は見えないが、うっすらと、自分の感覚的なものが切り替わっていくような気がしていた。


「くそっ……。おいらはあんたを許さないかんな」

「むう。そう言われるのも心外じゃのう」


 おいらは意地でもこのスキルには頼らない。なんとかして勇者ライフを過ごしてみせる。


「しかたないのう。最後のおまけのスキルじゃ」

「これは?」

「スキル”春”。有用に使うのじゃぞ」

「〇春とかそういうことだろ! ぜってぇ許さねぇ!」

「……どうかの」


 なにやら体がふわふわする感じがする。


「そろそろ時間じゃ。異世界を満喫してこい」

「絶対思った通りにはなってやらない! かならず見返してやる!」

「ほほほ。ではな、行ってこい」


 そして光に包まれ――。


     *     *     *


(——。ハッ! ここは……)


 目を開く。周囲を見渡すとそこには――。


「おはー」

「ねぇ昨日のやつさ、ヤバくない!?」

「ちょー、このネイル見て~」


 一見すると学校? 教室? その後ろの席に座っていた。


(甘い匂いがいっぱい……。まさか――!)


 もう一度見渡す。女子、女子、女子しかいない。


(この感じ、多分、もしかして――)


 ゴクリと唾を呑んで確信する。


(ここは、女子高!?)


 こうして――。

 おいらの異世界生活は幕を開ける。

 女の子になった体。与えられたエッチなスキル。しかしながら――。


 おいらは、”青春”ってやつをもう一度始めるんだ。



――――――――――――――――――――


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 もしかしたら続きを書く、かも……。

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