転生したらゲームの中の魔王の前座、魔女役の悪役でした
みかんご
第1話 転生前
俺は世界が嫌いだった。
小学3年生の時に「おでん?お前の名前って旨そうだよなw」とかいう意味が分からない理由で殴られたり、汚水をかぶせられたりして、傷が増えてく。
その傷を見て、学校の女子たちや教師からは軽蔑され、その女子や教師の反応を見て、楽しそうに笑い、男子たちは更に俺を殴ったりする。
中学も普通に進み、同じ面子に殴られ、金を盗られる。
高校もそこまで俺は頭がよくなかったから、近い中でもクラスメイトがいない高校を受験したら、運悪く奴らがいる。
社会人になってからも、背中にある刃物の傷のせいで怖がられたり、あと普通に態度が良くなくて落ちた。
そのくせ、奴らは社会人で普通に充実した生活を送っている。
この世は俺にとって地獄だった。
どうして俺をいじめた奴らが落ちないんだ?
どうして普通に社会人になれているんだ?
どうして教師は真面目にしていた俺よりもヤンチャで危険人物の奴らに単位をあげるんだ?
どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?
そんな精神が崩壊している時、Slow Star Life、通称SSLに出会った。
◇
俺はSSLにのめりこんだ。それからは引きこもりニートになり、消費者金融に借金をした金でボロアパートに籠っている。SSLは、小さい頃ゲームが好きではなかった御田が、昼夜逆転してまでのめりこんだほど夢中になったゲームだ。
SSLはギャルゲーと戦闘ゲームが合体したようなゲームだ。SSLは遅咲きで一番星になった主人公たちの人生を描いたゲームだ。
SSLはただのギャルゲーとは違い、セリフの選択だけでなく戦闘シーンでどの戦闘技を使ったかでも結末が変わるゲームだ。EDは85あるとか。
ただまぁ、ギャルゲーなため、女キャラが多い。
◇
今日も、御田はEDを探している。
ラルム:はぁ、はぁ、はぁ、なかなかやるじゃない...
アンロ:強がりを言えるのもそこまでよ。さようなら、連魔、ラルム。
(効果音):シャキン
ラルム:う....あたしはまだ..まけて...な.....
(効果音):グサッ
アンロ:ベルム、帰りましょう。もっと強い魔王への訓練をしなければ。
ベルム/自分/:そうだな。帰るか。きっとエレーナたちも心配しているさ。
◇
ふぅ、疲れた。いったん休憩だ。EDはあと22個ある。全クリしなければ。こういう時はエナドリを飲んで回復だ。えーと、お金は....うわ。120円しかない。別の消費者金融行かなきゃな...
俺は歩きながら消費者金融を調べる。やっぱ時間は有効活用しないと。歩きスマホダメとか言ってる奴らもいるが、時間を無駄にして損していると俺は思うね。
___と、思っていたその時、物凄い轟音とともに急に意識が消えた。
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