桜雨
第1話
春の空港って、みんな何となく浮き足立ってると思う。
乗客も、見送りに来た人も、働いてる人も、売られてる物も、みーんな。
でも、それも無理ないか。
寒さがゆるんだ明るい空間に、整然と並ぶ飛行機の群れだもんね。
まさに非日常の極致。ソワソワしちゃうのもわかるよ、うん。
イヤなことがあった人も、どこか別の土地へ行けば笑えるかもしれない。
仕事だからって緊張してる人でも、美人のCAさんのおかげで和んだりしてさ。
今が楽しい人は、旅でもっともっと笑顔が増えればいい。
まぁ、今日は雨なんだけど。
気温は高めだから、うかつに動き回るとうっすら汗ばみそうな感じだ。
さて…と。
行きますか。
見送りなし、荷物は最小限、行き先だってついさっき決めた。
キャンセル待ちで航空券も手に入れたし、あとは飛ぶだけ。
バイバイ、東京。
【rainy again】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます