第3話
土曜日の午前10時。訪問する時間帯は悪くはないはず。昨日ご本人様には連絡しているので大丈夫なはず。
私はスマホで家を確認し、高級住宅地に建つ大きな家の前で、大型犬のように足を踏ん張っていた。
なぜか今回のバイトは不安でしかない。
カンの働く私としては(カンで生きてるとも言えるけど)足が進まない。
いや……家自体は悪くはないのよ。
白い壁の赤い屋根で大きなお屋敷だ。威圧感がないのはきっと可愛らしい雰囲気だからだろう。ウッドデッキもあるからバーベキューとか楽しそう。
芝生があって、ガレージに外車が2台もあるし。敷地はとっても広い。お金持ちだなぁ。庭は業者さんを手配しているようで、とっても綺麗にしている。女優さんがエプロンつけて踊っていそうな、2階建ての立派な洋館だ。
なのに
なんだか、くすんでる。
こんな天気のいい秋晴れの日に、あちこちのカーテンが中途半端に開いていたり、閉まっていたり
どっちなんだい!はっきりしろ!って感じ。伯母さんからの余計な情報か悪いんだな。よし、1回忘れてクリーンな気持ちでお邪魔しよう。これはビジネス!それを忘れてはいけない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます