第2話

育ての親でありバイト先の社長である伯母に派遣され、私は綺麗な秋空の下、この家に来ていた。


『アソコの家はね、金払いはいいのよー。お金持ちなのー。だから逃がしたくはないのよ』

守銭奴伯母さんが力を入れて私に言う。


『でも、誰も続かないの。皆1日とか2日でやめちゃうのよねー。続いて5日かなー、みーんな挫折しちゃうのよねー。売れっ子の若い作家さんなんだけど、女癖が悪いし、だらしないし、人使いが荒いし』


うわっサイテー。


『葵が最後の手段なの。うちの会社の為にちょっと頑張ってみて』


伯母さんの【ちょっと頑張ってみて】は直訳すると【失敗すんなよ!太い客逃がすなよ!】


で、ある。

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