第2話

直「くーっ、めでたい!ワインがうまい!」

藤「おいチャマ、ピッチ早くね?」

直「だーいじょーぶ!」



オードブルが済んだあたりで、早くも直井の顔は赤くなってきている。



増「でも本当すごいよね、この年で医長なんて」

升「だよなぁ。断トツで史上最年少だし」

藤「いやでもさ、内科の医長ってもう一人いるし」

増「あぁ…」



メインの皿が運ばれてくる頃には、さすがに少しテンションが落ち着いてきた。

久々に4人だけで食事しているせいもあって、語りモードに入ってくる。



直「内科医長って、えー…国木田先生だっけ?」

升「チャマも知ってたっけ。もうわりといい年だから、外来には出てないけどな」

増「俺も知ってる、ウチの医長と仲いいよ。たまに昼とか放射線科で食ってるし」

藤「俺、実はあんま知らないんだよなぁ」

直「同じ内科なのに?」

藤「内科ったって、外来診察室だけで10以上あんべ?」

直「あー…まぁね…」



藤原は微妙な表情でパンをちぎる。

喜んでばかりもいられない、といった風情だ。



藤「それにこれからは、医長会議とかも出なきゃいけなくなるしさ」

増「あぁ、それはキツいかも」

直「そっか…派閥も色々言ってくるだろうしね」

升「役職付きってのも、善し悪しかねぇ」

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