第47話 白雲斎の推薦と領地開発の方針
新たな領地の運営と仲間集めに奔走する宗則は、信頼する師匠である白雲斎に手紙を書くことにした。
書斎に座り、心からの頼みを丁寧に書き綴る。
「師匠、領地の運営には信頼できる人材が必要です。推薦できる者がいれば、どうか紹介していただきたく存じます」
数日後、白雲斎からの返信が届く。手紙には信頼できる人材の名前とその紹介が書かれていた。
「宗則、お主の誠実さと情熱に共感した者を紹介する。うまく使えるかはお主次第だ」
宗則は手紙を読み、決意を新たにする。
推薦された人物たちが領地に到着した。
農業に通じた久兵衛、鍛冶師の佐吉、火薬師の小次郎の三人だ。
宗則と兄弟たちは、彼らと共に領内を巡察し、各分野に関する意見を交わした。
宗則は尋ねる。
「到着して早速で申し訳ないが、どのようにして領内を栄えさせればよいか。いい案はないか?」
義隆が山の木々を見渡しながら言う。
「この山には良い木材がたくさんあるな。これを生かせば、繁栄に繋がるだろう」
頼明も川の近くで声を上げる。
「この川は魚が多い。これをうまく使えば、資源を増やすことができる」
宗則は二人の意見に頷く。
「万物は陰と陽、また木、火、土、金、水の5つの要素で成り立っている。これを陰陽五行というが、これらそれぞれを他の領地より長じられれば自然と栄え、繁栄できると思う。まずは木材の伐出しと漁業の促進に力を入れよう。これが五行の相生の原理だ。木は火を生じ、水は木を生ず」
久兵衛が言う。
「宗則様、農作物の生長を促進するために、先ほどの五行を組み合わせてみたらどうですかい?」
宗則は興味深く尋ねる。
「それはどういうことだ?」
久兵衛は説明する。
「森の中には柔らかい土がある森がごぜぇやす。豊かな森には、木の葉が落ち、雨水が流れ、土と混ざることでまるで腐ったみてぇな臭いのする土が出来やすが、あっしがいた村の山には、この土の近くにある柿の木は他の柿の木よりよく実が取れました。あっしは難しいことはわかりやせんが、これを調和していると言うのであれば、農地でも同じ方法を試すといいってことですかい?」
宗則は大いに頷き、
「確かに、試してみる価値はあるだろう。森が豊かであるのは五行の調和のおかげだ。これを農地に取り入れてみよう」
と答える。
続いて鍛冶場の候補地を歩きながら、宗則は佐吉と話し始めた。
「佐吉殿、この地に新しい鍛冶場を設立したい。五行の火の力を使って効果的に鍛冶ができる場所を見つけなければならない」
「火の力を最大限に活かすには、風の流れも重要です。適切な通気がある場所が理想的です」
宗則は納得しながら、
「ここならば、風も通りやすく、鍛冶に最適な場所ではないでしょうか?」
佐吉は頷き、
「そうですね。この場所で鍛冶場を設立すれば、効率的な作業が可能になります」
火薬の製造について、小次郎と話し合うために、宗則は候補地に向かった。
「小次郎殿、火薬の製造には安全性が最も重要です。五行の火の力を制御しながら製造する方法について教えてください」
「火薬の製造に関しては、火の力を制御する術が必要です。爆発のリスクを最小限にするために、繊細な調整が求められます」
宗則は理解しながら、
「安全を最優先にし、効率的かつ安全に火薬を製造する方法を提供してほしい」
小次郎は自信を持って、
「お任せください。安全対策を講じた上で、効率的な生産を実現しましょう。ただ、材料がこの国では手に入らないものもあるのが難点です」
と語った。
また宗則は村々を巡り、木材の利用や漁業の促進について村長たちに声をかけた。
「この山の木材を伐り出して資金を得るために、また、川での漁業を発展させるために、皆の協力が必要です」
村長の一人が興味深そうに尋ねる。
「領主様、具体的にはどう進めれば良いのでしょうか?」
宗則は説明する。
「まず、伐採するための道を作り、その後に木材を運び出す。また、漁業に関しては、漁の技術や道具を改善して漁獲量を増やす方法を模索します」
村長たちは納得し、協力を誓う。
「協力しましょう。皆の力を結集して、領地を発展させましょう」
続く
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