第45話 3つの指示

 厳しい冬の冷気が京の街を包み込み、義昭と信長の戦後の復興計画が進められていた。

 一方で、宗則は信長と直接の面会を受けるため、城内へと呼ばれていた。


 信長は夕方の静寂の中、重厚な書斎で宗則を待っていた。

 宗則が部屋に入ると、信長が深い声で語りかけた。


「宗則、お前には三つの重要な指示を与える。」


 宗則は信長の前に一礼し、耳を傾けた。


「まず、陰陽の力をさらに身に着けること。陰陽道の力を極め、我々の戦力となるべきだ。」


 宗則は真剣な表情で頷いた。


「承知致しました。必ずや更なる修行に励み微力を尽くします。」


 信長は続けて、


「次に、光秀とは異なるルートで、朝廷と公家とのコネクションを作れ。陰陽道の力を駆使して、新たな影響力を持つのだ。」


 宗則はその意図を理解し、強い信念で答えた。


「朝廷とのコネクションを築き上げるため、全力を尽くします。」


 最後に信長は鋭い目で宗則を見つめながら語った。


「そして、細川らと協力し、足利義昭を監視せよ。ただし、注意深く行うのだ。義昭が何を考え、何をしようとしているのかを見逃さないように。」


 宗則は深く一礼し、信長の指示を受け入れた。


「承知致しました。義昭様の動向を注意深く監視し、必要に応じて報告いたします。」


信長はさらに続けた。


「また、本圀寺での働きに対し、5000石の領地を与える。これをもって、お前の新たな使命を果たすために使え。家臣団を作り、領地を治めるのだ。もし家臣のあてがないのであれば、兄弟親族を取り立て大事にせよ。ただ、信用しすぎてはならぬ。」


 宗則は感謝の意を込めて深く一礼した。


「ありがとうございます。全力で任務に邁進いたします。」


 信長は頷き、宗則に任地への朱印状を手渡した。


 信長からの重要な指示と恩賞を受け取った宗則は書斎を後にした。冷たい風が吹く中、彼は決意を新たにした。


「信長様の信頼に応えるため、陰陽道の力を極め、領地を発展させるのだ。」


 宗則は自らに言い聞かせ、覚悟を胸に刻んだ。


 信長からの指示と恩賞を受けた後、宗則は義昭に挨拶に向かった。義昭の元を訪れ、深々と頭を下げる。


「義昭様、信長様からの指示に基づき、新たな任地へ赴く前にご挨拶に参りました。」


 義昭は微笑みながら、


「宗則、新たな領地での成功を祈る。ただ、陰陽道の修行をさらに深めることも大切だ。若狭の土御門家には深い知識があると聞いている。訪れてみる価値があるだろう。」


 宗則はその言葉に深く感謝し、


「有り難きお言葉、心に留めておきます。」


と答えた。


 義昭の助言を受けた宗則は、協力者である春蘭と賀茂美玖の元を訪れた。

 義昭からの指示と任地について伝えるためであった。


「春蘭様、賀茂殿、これから新たな領地での任務が始まる。何かの折にはご協力を賜りますよう」


 春蘭が微笑み、


「もちろん協力します。ところで、義昭様から若狭の土御門家についてお聞きになったと伺いましたが、修行も必要ですね」


と語った。


賀茂も同意し、


「そうです、宗則殿。若狭の土御門家には陰陽道の深い知識があります。義昭様の助言に従い、修行を通じてさらなる力を得ることが必要でしょう。」


と述べた。


 宗則は二人の助言を受け入れ、


「確かに、陰陽道の力をさらに深めるためには土御門家の力を借りるべきだ。」


と決意を固めた。


 土御門家への訪問を決意した宗則は、領地の運営を家臣たちに任せつつ、修行のための準備を進めた。


「修行を通じて、陰陽道の真髄を学び、信長様の期待に応えるのだ。」


 宗則は若狭の土御門家に向けて旅立つ覚悟を胸に刻んだ。


続く

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