厨二病が闇の力を手に入れた
再々試
第1話 厨二病の日常
俺の名前は 一 一(にのまえ れいご)
闇の魔術の使い手だ。
この力を手に入れてから俺の日常(アズユージュアル)は変貌した。
「くっ何処からか視線がする。
さては"あいつら"だな。」
そして俺はとある良からぬ組織に付き纏われる事となった。
その組織の名前は「ソード」
俺の闇の力を使い世界征服を企てているのだ。
俺はそれを回避するため日々抵抗している。
「おはよう、れい君。」
1人の女の子が話しかけてきた。
彼女の名前は 日野 陽鞠(ひの ひまり)
クラスメートの1人だ。
「おはよう。」
「今日は変な組織に付き纏われてないの?」
「ああ今日は居ないらしい。」
「そっかじゃあ安心してお喋りできるね。」
そんな事はない。
今も奴らの手先の1人が後ろから俺を今か今かと狙っている。
しかし彼女にそんな事を言ったら心配をさせてしまう。
あまり周りの者を巻き込みたくないのだ。
せめて嘘でも俺の周りは平穏であってほしい。
「2人ともおはよう。」
その時後ろから 平泉渡(ひらいずみ わたる)
が話しかけてきた。
そこそこ顔が整っていてそこそこ勉強の出来る彼は何故かよく俺に話しかけてくる。
恐らくソードの1人なのだろう。
「おはよう渡君、今日数学のテストだね。」
「はあ嫌だな。
にの君は勉強してきた?」
「その呼び方で呼ぶな。」
「ええ?何故だい。」
「馴れ馴れしくするな。」
「ふふ、2人とも仲良いね。」
「良くない!」
(いけないいけないついムキになってしまった。)
闇の使い手の1人として取り乱してはいけない。
俺は自分にそう言い聞かせた。
「ところで陽鞠ちゃん。
今日もにの君は組織に付き纏われてるか
い?」
「今日は居ないんだって。」
「本当に面白いねにの君は。」
「ねっ、この前なんか清掃員の人を暗殺者だ、
何て言ってたんだよ。」
「ははは、小説家に向いてそうだね。」
キーンコーンカーンコーン
「はあお腹空いた。
れい君お昼一緒に食べよう。」
「構わない。」
「あっそうだ、購買で飲み物買ってくるね。」
「気をつけて。」
___
(遅いな、かれこれ20分は経ってるぞまさか"組織"の奴らに?)
「やあにの君、お昼食べないかい?」
「すまない、ちょっと用ができた。
戦いの時かもしれない。」
「そ、そうなんだ頑張って。」
「ああ行ってくる。」
「行ってらっしゃい。」
教室を出て一階にある購買に向かう。
(どこだ?購買に居ないぞ。)
購買を出て辺りを見渡す。
(もしかしてすれ違った?)
行く当てもなく戻る事にした。
その時だった。
ガシャン
何処からか何かが倒れた音がした。
(何だ?)
もしかしてと思い音のした方向に向かう。
角を曲がり廊下を進む。
着いた先はクラブ倉庫だった。
人がおらず中は薄暗い。
「大丈夫か?」
ドアを開けて中に入る。
そして俺の目に飛び込んだ物は
「おい誰だ!ひまに何をしている?」
そこには陽鞠が倒れておりマントを着けた何者かが陽鞠の身体にかぶりつこうとしている。
「やめろ!」
その何者かに思わず体当たりをした。
何者かが床に倒れ込んだ。
「ひま!大丈夫か?」
陽鞠は気絶しているのか目を閉じている。
彼女を抱えて逃げようとした時
「何をする?」
何者かが低く呻いた。
思わず体を強張らせる。
(組織の奴か?遂に襲って来たのか。)
「ああ久しぶりのご馳走だったのに。」
そう言うと奴はゆっくりと立ち上がった。
その時気が付いた。
「人間じゃない。」
声が震えた。
顔が人間じゃない。
目が6つあり鼻がない。
口は大きく本来耳がある場所まで裂けていた。
化け物、この言葉でしか表現出来ないほど悍ましい見た目だった。
「バレちゃった。」
声が変わった。
先程の低い声から割れた機械の様な声になっている。
「仕方がないな。」
そう言うと奴は身に纏っていたマントを口で引き裂いた。
そこにはいわゆる体がなく細い植物の茎の様な物があった。
先が床に埋まっている。
顔だけでなく体すらも化け物であった。
その瞬間奴の体から沢山の突起が生えてきた。
まるで植物の実かのようである。
(逃げなければ。)
頭ではそう考えているが体が動かない。
そうこうするうちに奴の体の突起が開いた
プシュー
中からガスの様なものが思い切り噴射された。
「ゲホッウェ」
吸い込んだ瞬間喉が刺すように痛くなった。
(苦しい。)
意識が遠のいていく。
(くそ、この俺がこんな奴に。)
瞼が鉛の様に重い。
その時どこからか声が聞こえた。
「君に力をあげるよ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます