第2話 なんでこんなに気になるの?
高校1年の初登校の日(高校と限らず、小学校、中学校、大学も)それは誰にとってもドキドキする日じゃあないかな?
海斗ももちろん、ドキドキしていた。胸の中では、ガンダムが大暴れしているような感覚。すごく気持ちが悪かった。
恐る恐るクラスに入る。
そこにはまったく知らない顔が、たくさん浮かんでいた。
海斗は
「まぢかよ~!友達できるんかね?」と不安になった。
(キミキミ、緊張し過ぎ!服部を見習え~~!笑)
そもそも海斗はどちらかと言えば引っ込み思案。昔から大人しい、と言われ続けて来た。
そんな海斗だから、そりゃあ今回も緊張するよな。
入り口のところで、そんなことを考えながら突っ立ってたら、後ろからこんな声が聞こえた。
「おい、お前、こんなとこで止まんなよ」
「ん??誰だ?口悪いなぁ~男か?いや、声は女だ。一体何者なんだ?」と海斗の心の声。
振り向くと、そこには可愛らしい雰囲気の女子生徒が立っていた。
「え!今の、コイツが発した言葉なん?」海斗は正直カナリびっくりしたのさ。
彼女、松永優凛は、その雰囲気とは似ても似つかない言葉遣いをする女だった。
そのとき海斗は「あんまり、関わりたくねぇな」って思ったのさ。
だから「あ、すいません……」とだけ言ってそこを離れた。
優凛は、言えば分かるじゃん、みたいな顔をしてクラスに入って行った。
さぁ~みなさん!どうなるか、分かりますかぁ~?
最後まで読んでね~!
その日の夜、海斗がそろそろ寝ようとベッドに入った時、なぜかふと、今日会った口の悪い女のことを思い出した。
華奢で、うーん……。身長はたぶん155cmあるかないかかな?
可愛らしい声。鼻筋も、通っていたような?
でもなぜアイツのことが、頭に浮かぶのだろう?
この時の海斗には、その理由が全く分からなかったのさ。
海斗は知らんぷりしてそのまま眠りについた。
次の日、まだまだドキドキしながら学校へ行った海斗。
友達も全然できそうにない。
「大丈夫かよ、俺。これから先も友達できなかったらどうしよう?」
海斗はとにかくマイナス思考だった。それは昔からで。
「な~んでこんなにマイナス思考なんだろう?」
小さい頃の海斗には、その理由が分からなかった。でもきっと、大人になればそんなの治るはずさ、そう思っていた。
でもある程度大人になった今でも、それは治らなくて、海斗はそんな自分の性格にうんざりしていた。
海斗は思っていた。
「ここら辺で本気で治さないと、これから先もずっとこのままだ。そんなの絶対に嫌だ!」ってね。
その次の日の二時限目の休み時間。
何人かの女子生徒達が大騒ぎしていた。その中に昨日聞いた、口の悪い女の声が混ざっていた。
「え~♡それ、私も欲しい♡いいな~!欲しい、欲しい~♡」
「ん??アイツ、昨日の俺に対しての言葉遣いと全然違うじゃね~か。どーゆーことだよ?しかも、もうあんな風に友達できたのか。意外と社交的じゃん。友達受けいいのか??」
海斗は疑問に思ったとともに、彼女の意外な一面を見たような気がしていた。
「意外だなぁ。アイツ。あんなとこあるんだな」
その時の海斗はさらに彼女のことを知りたい、という気持ちが生まれていたことに、気づくはずもなかった。
ね、自分では自分のこと、分からないときってない??
服部はあります。
自分が相手を好きになっていることに気づいてない、とかね。
自覚のない恋、ってやつなのかな?
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