優しい人
第2話
肌に感じる冷気が不快で目を覚ました。
ラブホの安っぽいベッドの上、横を見ると、さっきまで体を重ねていた男が全部の布団を体に巻きつけて寝ていた。
「……寒いっつーの」
肩を抱き、ベッドから降りて効き過ぎたエアコンを消した。体を温めようと思いシャワーをゆっくりと浴びる。
服を着て、時計を見ると深夜の3時を指していた。一度シャワーを浴びてしまったこともあり、目は冴えてしまっていた。
……暇だなぁ。コンビニでも行こっかな。
「マサくーん。ねぇ、起きて」
ゆさゆさと爆睡している男を揺するが、彼は起きる様子がない。
仕方なく上着を羽織り、一人でホテルを出る。
コンビニで煙草を買うが、ホテル内が禁煙だったことを思い出し横の喫煙所でしゃがみ込んだ。
9月の中旬。昼間は暑いが、夜は肌寒い。手を袖の中に入れながら、スマホを取り出した。
なんか、楽しくないんだよなぁ。
今の彼と付き合って2ヶ月。出会ってすぐに意気投合し、ラブラブだった1ヶ月を超えてからは、彼の嫌なところがよく目に付くようになり、最近では一緒にいるのが鬱陶しく感じるようになってしまっていた。
はぁーあ、もう潮時かなぁ…。
煙草を灰皿に放り、立ち上がる。ふと前を見ると、いつの間にかガラの悪い男達に囲まれていた。
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