高嶺の華は意外と近くに咲いていた

起き上がる

第1話君

良く美少女とか言うけどそれは小説、漫画、ドラマの世界の話だろ?現実にはいない。俺は、偏見の塩見と呼ばれている。どんな事も屁理屈と難癖と差別の目で見てる。自分は、どうなのかって?まぁ、イケメンではないが顔は平均的で特徴の無い。つまりは普通だ。高校一年生、十六歳、帰宅部。邦画を見る事とチャーハン作りにハマってる。オタクではないが友達がいない。中学時代は、部活動も友達にも恵まれていた。しかし、高校に入学と同時に性格が曲がった。なので教室ではいつも休憩時間になると机に頭を置いて寝た振りをしている。周りは、女子も男子もそれぞれのグループに別れてバイトの話や恋愛話をしている。俺は、ただそれを聞いてるだけ。


誰も俺に興味を示さない。ただ一人だけを除いては。


朝日奈律子、彼女だけが俺に話しかけてくる。律子も俺と同じでずっと一人で机に座って誰とも話そうとしなかった。メガネを掛けていて背が小さい。特徴が無く普通だ。「塩見君。昨日の映画見た?」と秋口にいきなり声をかけてきた。しかもずっと前から友達のような話しぶりで。俺は、驚いて思わず大きな声で「うわっ!」とリアクションしてしまった。みんなが俺と律子に注目した。「映画見たの?」と構わず律子は俺に聞いてきた。「うん。」と俺は答えた。それからは律子は映画の話をし始めて俺は頷くだけだった。みんなの視線は消えた。俺に友達が出来た。

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