ラブコメろ!

そうじ職人

第1話 僕は小説を書くのが好きな陰キャにすぎない

 部活にも入っていない中学生の僕が、唯一続けている課外活動は投稿小説の執筆だ。

 今回、とある応募コンテストを見付けたので、参加しようと思ったんだ。

 ただその応募には、ジャンルってものがあった。


 小説には、実に幅広いジャンルが有るのは知ってる。

 だって、そこには人類の英知と想像力が、漆黒の夜空に煌めく星々のように、小説って形で存在してるからだ。

 ジャンルって、まとめ切れない星々を、星座っていう型と名前の括りで、分かりやすく分類してるんだろう。


 だけど中学生になっても、星座のもつ意味が良く分からない。

「なんで恋愛とラブコメって、違うジャンルなんだろう?」

 そもそも恋愛経験のない、陰キャを自覚している僕は、独り言ちていた。

 僕には一番無縁で、理解できないジャンルだった。


 だからって悔しかった訳ではないけれど、今回の小説は『ラブコメ』っていうジャンルで、無性に書きたかった。

 だって、実際の経験が無くったって、僕はたくさんのラブコメ小説を読んでるんだから。

 むしろラブコメ要素のない小説のほうが敷居が高い感じがしてて、圧倒的にラブコメ小説のほうを多く読んでるのは間違いない。

 陰キャな僕が胸を張って言えるのは、それくらいしか無いんだからな。


 それにどこかの小説で、書いてあったっけ。

 ラブコメは、現実の恋愛ではありえないから、他人ごとだから笑えるんだって。

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