縁は異なもの味なモノ?
ルミン
第1話
🍑あれは・・・
「おーい、武」
営業先のテナントで大学で同じサークルだった郷田敦に呼び止められた。彼は某有名アパレルの店長をしている
「武、営業にきたのか?」
「おう、久しぶりだな元気していたか?」
俺は今、敦とは違う店舗のジュエリーショップに新作の営業に来ていた。
敦に会えたのは偶然中の偶然
「え?合コン、今日の今日?」
「ああ、くるか?席が空いたんだよ来てくれると嬉しいな久しぶりだし、積もる話もしょうぜ」
「え?合コンそっちのけで?積もる話出来ないぜ」
まあ、敦の誘い文句って事は分かってるが企業の受付嬢と秘書と聞いて
俺のテンションも上がってきた
美人揃いな匂いがプンプンする
「分かった、行くよ」
時間と場所を確認したら何とか間に合う感じだった。
「契約ありがとうございます」
新作のジュエリーは売れ行きが好調でもあり取引はサクサクと終わった。
俺の成績もうなぎ登り
生まれつき顎が達者な俺には天職
喋るの好き面白いの大好き
その日は仕事終わり直帰になった。
俺は敦と待ち合わせた駅前のバス停に立ち煙草を吸いながら缶コーヒーをプシュッとあけて時計を見る
18:00ソロソロ来るかとキョロキョロ敦を探す
が走ってきたのはサラサラロングの
身長の低い彼女だった。
「た、助けて」
よく見ると変な男が彼女を追って来た
「ねえ、ねえバスト何カップ」
「ハアハアハアへ、変態野郎消えろ」
彼女は息を切らしながらへえへえ前屈みになり俺の後ろに隠れた
「彼女ぉ~」
俺の腕の隙間から彼女の腕を握ろうとしてきた、
「ヤメロ嫌がってるダロ💢」
「お前には関係ない💢」
ヤツもそりあげて、無いまつ毛に力を入れて眉間にしわ寄せ俺を睨んできた
勿論負ける気はしない
「んだとぉ~💢警察呼ぶゾ」
オレがそう叫ぶと
警察と聞いて、ややひるんだような感じで
「よ、呼ぶなら呼べよ
俺はただ声掛けただけだし💢」
そう言って俺にメンチ切ってきた
その時
「もしもし警察ですか
いま駅前で変なひとに・・」
と言う女の声が聞こえた
若い男は
「今度あったらおぼえてろー」
と ありがちな弱弱しいセリフを投げ捨て早足で立ち去った。
その後本当に警察が来て色々聞かれ、ようやく来た敦に断りを入れ合コンは欠席になった。
「すみません」
話を聞いていた彼女はすまなそうに謝った。
彼女のお腹がググ~と鳴いたので
時計を見ると19:30になっていた
「あの~
知り合いのやっているカフェレストランがあるんで行きませんか
お詫びにご馳走させてください」
え?高収入の俺におごる?
俺は彼女の事を上から下まで眺めたが金持ちお嬢様には見えなかった
「知り合いのお店そこなんです
お父さんが某有名ホテルのコック長でステーキなんか三ツ星並で
凄く美味しいの」
そんな彼女の殺し文句に誘われ
「ありがとう
ご馳走になるよ」
そう言って歩き出した店は駅裏にありガラス張りの入り口には
女の顧客がよろこびそうな花々が色とりどりに生けてあった。
「彩奈さーん久しぶり」
ドアを開けて彼女が叫ぶとテーブルを片付けていた彩奈という名であろう彼女が振り向いて
「加奈久しぶり あらあら彼氏さん?」
「違う違う」
加奈はさっきの出来事をかいつまんで話していた
「あー、そう言えばサイレンなってたワ、
アレ加奈だったの?」
「うん、この人が助けてくれて」
加奈は下からクリクリした目で、俺を仰ぎみた、みため女優の広瀬す〇によく似てると思うのは俺だけだろうか?可愛い。
彩奈は加奈を助けてくれてありがとうと頭を下げた。
大人感のある美人に
俺は恐縮してしまい「いえいえ」
と答えるだけだった。
テーブルに案内され
「じゃあ、ハイスペックな彼に
何をご馳走するの加奈」
彩奈は彼の付けている時計やネックレス ゴツゴツした指に付けている指輪などで高収入とすぐ分かった。
加奈は俺に
「私が決めて良いですか」
と聞いてきた、
「勿論」
と俺は答えた
絶対ステーキだろうとさっきの話の流れだと誰もが思うよな
「じゃあ彩奈さん
カレーをふたつ」
Σ(⊙ө⊙*)!!え?マジか?
ステーキステーキ、俺の胃袋はステーキ食う気満々になっているのに『カ、カレーかよ』
とズッコケたくなるが我慢
「加奈カレー好きよね」
くすっと笑う彩奈は俺に微笑んで聞いてきた
少し不満気な顔をしていたんだろうか?
「カレーでよろしいんですか?」
確かに確かにカレーは好きだ
「はい彼女の奢りなんでカレーで」
とムスッとしたくなるが営業トップのわざとらしい微笑みで答えた
「ありがとうございます
加奈はまだ学生なので
カレー🍛🥄が妥当ですかね」
「え?君学生なの?」
まあ学生っちゃ学生の風貌だ
「はい来年卒します。」
「えーマジ、なら僕がおごるよ
営業トップのオレが学生に金を出させたなんて知られたら笑いものだ、
営業トップの名が泣くし仲間内で評判ものだ
「カレーやめてステーキで!」
ここのオーナーである彩奈さんは
ニッコリ微笑んで
「じゃあステーキに変更ですね
ありがとうございます」
と言って厨房に声をかけに去っていった。
彼女は少し申し訳無いような顔をしていたが
「ヘヘッゴチになります」
と変わり身の早さで言った。
テーブルに並んだステーキは
ジュウジュウと熱い音を立てて鉄板の上に添えられたバターとブロッコリーと人参、ジャガイモそっちのけで
デデーンと横たわっていた
「やっぱり肉🍖」
俺はフォークとナイフで肉を貪り食う、彼女の言った通り肉は上物で焼き加減もレアで口に入れると、とろけるように美味い
真向かいに座る彼女もパクパクと口に運んでいる
2人とも無口で息もつかず食いまくった、飯もツヤツヤホッコリでまさかの彼女は
オカワリした😳❗️❓
「やっぱり飯大好き」
となるとパセリしかのこってない、お前オカズは?・・・
「彩奈さーん、唐揚げ2人分」
と加奈が又叫ぶと
唐揚げがすぐ出てきた
オレ⚆.⚆えっ!
又又むっちりと黒胡椒を効かせ、ニンニクの匂いを振りまきつつ、
レモンを傍らにテーブルの上で唐揚げがツヤツヤと光る。
”ぇぇいこうなったら食うしかないダロ”
自分に声をかけ
加奈も俺もステーキの鉄板をポイとどかし唐揚げをセンターに置いた
皿は大皿二つ
ニンニク味の染み込んだ唐揚げとは別に肉とカレー粉をまぶして揚げた生姜味の唐揚げ2種盛りが上手いのなんの、俺も加奈も肉食系だった。
オレと加奈は最後になった唐揚げに手を伸ばし箸でグサッ、ズン、俺もフォークをグサッ 箸とフォークの刺さる音が響いた
突き刺さった唐揚げの乗る皿はズズイと右に左に重そうに動く
黒いみずみずしい黒目が隙をあたえす睨んでくる
俺もイケメンと呼ばれる顔をしかめつつ負けるか💢
ミシミシと唐揚げは割れパツン‼半分になった時 加奈の手が俺のフォークを握りパクっ
「あー」
と叫んでいるうちにもう半分の箸に刺さった唐揚げをパクリ
最後の唐揚げは加奈の食道をゴクリと通過して胃袋に落ちた‼️
「あー
美味しかったです
ご馳走様」
く、食われた敗北者の俺は伝票を
握りしめウグウグとテーブルにひれ伏した
「こんな女助けるんじやなかつたー😭」
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