リアゲ!~リア充でもエロゲがしたい!~

美崎あらた

第一章 登場! 白きリア充

第0話 通りすがりの――リア充さ

 赤と青の、歪んだ世界。二次元と三次元の狭間。

 人のいなくなった公園。

 割れた空から生まれ落ちた巨大な異形が、一人の青年に向かって触手を彷徨わせる。


「き、君は何者なんだ?」


 と、人は問う。


「通りすがりの――リア充さ」


 青年は背中で語る。そして、純白の仮面を天高くかかげた。


「『現実武装』――リアライズ‼」


 掛け声とともに、仮面を装着。

 その途端、白銀の光が彼を包む。腕をひろげ、それを享受する。


「ぐぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお⁉」


 彼に対峙する異形が、光を浴びて苦しげなうめき声を上げた。

 それは、圧倒的なまでのリア充エナジー。

 マントをはためかすような仕草で、光を振り払った。


 煌めく光の粒子とともに、白銀の装甲を身にまとった一人の男が立っていた。

 装甲と言っても、鎧のような重厚なものではない。黒のピッタリしたボディスーツを基本とし、腕、脚、腰回り、胴、という主要部分を、輝く白い装甲が覆っているのである。


「『純白の両翼』――イノセント・ホワイト!!」


 名乗りを上げ、白く輝くリア充が、蠢く異形を見据える――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る