隣の席の女子が時々入れ替わってるが、気づいていることに気づかれていない
マウンテンゴリラのマオ(MTGのマオ)
第1話 野村と野村
「ねぇねぇ、沢渡君~」
隣の席から、今日も甘ったるい声が聞こえてきた。俺は左隣に目を向ける。
「何だよ」
「今日の私、昨日とどこか違うと思わない?」
隣の席の女子、野村が、朝から面倒臭いことを言ってきた。とはいえ、これも毎朝の恒例行事である。
「知らんがな」
「えぇ~? ほら、もっとよく見て~」
「鬱陶しい……」
野村は派手な格好をした金髪ギャルだ。たまにしか登校して来ない癖に、或いはそのせいなのか、隣の席の俺にちょくちょく絡んでくる。
「この恥ずかしがり屋さんめ~」
くすくすと笑いながら、からかってくる野村。うざ絡みの権化みたいな女だ。……残念なことに、こいつ以外にもう一人、同じくらいうざい女子が身近にいるんだが。
「ほんとに気づいていないんだね」
「何の話だよ」
「こっちの話~」
俺は女子と―――というか他人と話すのがあまり好きではない。故に、クラスでも一匹狼ポジションを貫いているのだが、こいつともう一人の女子はそんなことお構いなしである。本気で迷惑だ。
「ほんとにぃ、いつになったら気づくのかなぁ?」
人を馬鹿にしたような態度で笑う野村に、俺は無視して次の授業の準備を始めるのだった。
◇
「ねーねー、沢渡君~」
隣の席から、今日も甘ったるい声が聞こえてきた。俺は左隣に目を向ける。
「何だよ」
「今日のわたし、昨日と何か違うと思わない?」
隣の席の女子、野村が、朝から面倒臭いことを言ってきた。とはいえ、これも毎朝の恒例行事である。
「知らんがな」
「え~~? ほら、もっとよく見てよ~」
「鬱陶しい……」
野村は派手な格好をした金髪ギャルだ。このクラスの生徒じゃないにも関わらず、何故かたまに隣の席に座って、俺にちょくちょく絡んでくる。ちなみに、こいつがいる日は必ず、本来その席に座るはずの生徒は欠席している。
「相変わらず恥ずかしがり屋だね~」
悪戯っぽく笑いながら、からかってくる野村。うざ絡みの権化みたいな女だ。……こんな奴が身近にもう一人いると思うと、頭痛がしてくるな。
「全然気づかないよね」
「何の話だよ」
「こっちの話~」
俺はクラスメイトとすらまともに話さない、というか話したくないのだが、こいつともう一人は半ば強制的に会話をさせてくる。本当に迷惑な奴らだ。
「ほ~んと、いつ気づくかな~?」
人を馬鹿にしたような態度で笑う野村に、俺は無視して次の授業の準備を始めるのだった。
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